I see a red door and I want it paint it black

男らしさ満点の漆黒に染められたTUDOR BLACK BAY CERAMIC

ベースデザインは伝統的なダイバーズウォッチの意匠であることも間違いのない安定感。〈チューダー〉が提案するスポーツウォッチの新しい価値観を感じよう。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : TUDOR

ヴィンテージ一辺倒のメンズウォッチ市場に一石を投じるモダンなブラックウォッチ

男性用腕時計の中でスポーツウォッチが特に人気が高いのは、プロフェッショナル向けに開発されたタフさ、すなわち男臭い世界観があるからだと思っている。モータースポーツの世界で生きるレーサーや旅客機または戦闘機などのパイロットが愛用するクロノグラフ。数千メートル級の山や未開の洞窟に挑む探検家のために生まれたモデル。そして深海の油田開発や調査を行うダイバーのために開発されたダイバーズウォッチ。陸海空すべてのフィールドで特殊な環境でミッションを果たすプロフェッショナルのために作られたスポーツウォッチには語り尽くせないほどのストーリーがあり、男が憧れる男の世界が広がっている。そこにロマンを感じるからこそ、国籍に関係なくこれほどスポーツウォッチの人気が高いのではないだろうか。
TUDOR(チューダー)〉が先日ローンチしたBLACK BAYシリーズの最新作「BLACK BAY CERAMIC(ブラックベイ・セラミック)」は、伝統と革新が織り交ざったダイバーズウォッチだ。クラシックなルックスと機械式時計ならではのアナログな作り。しかし、通常のモデルと明らかに違うのは精悍なブラックカラー。セラミック製ケースをマットブラックにペイントしたこのモデルは、ヴィンテージこそ至高という物差しがすっかり定着した価値観で見ると、やや異質なモノに見えるかもしれない。でも、黒という色が持つミステリアスさといかにもメンズライクな雰囲気をじっくり見ていると、腕時計のデザインの自由さを感じさせてくれる。ヴィンテージは確かに最高にカッコいいけれど、現代的なアプローチでアレンジされたモダンなルックスもベクトルの異なる良さがあることに気付くはずだ。


夜光が光るインデックスと針以外はすべてマットブラックの「ブラックベイ・セラミック」。ぎらついたブラックではなくマットな質感であることも猛プッシュしたい理由だったりする。

ROLEX(ロレックス)〉サブマリーナの系譜を持つ〈チューダー〉のブラックベイシリーズ。日本では「イカサブ」と呼ばれる特徴的な短針の形状も〈チューダー〉らしさを楽しめる。


よく見ると風防がヴィンテージを彷彿させるドーム形状。モダンな雰囲気のモデルであっても根底にはヴィンテージの良さを残しているのもこのブランドらしい。

「MASTER CHRONOMETER」の文字が誇らしくプリントされる文字盤。


ケースバックはシースルー仕様。ムーブメントまでマットブラックなのも芸が細かい!

ケース径は41mm。平均的な日本人男性の手首にはやや大きめのサイズ感だが、シンプルなデザインなので意外なほど収まりも良さそうだ。

ヘリテージとモダンの最適なバランス
世界トップクラスの品質が保証されたムーブメントにも注目

「ブラックベイ・セラミック」に搭載されるのは両方向回転ローター式の自動巻きムーブメント、Cal.MT5602-1U。C.O.S.C.(スイスクロノメーター検定協会)による厳しい検査をクリアした認定付きで、機械式ムーブメントとして世界トップクラスの品質を持つ。精度テストは2つの異なる温度下、6つの姿勢差、そして2つの異なるパワーリザーブ残量状態(100%および33%)で行っているというから、〈チューダー〉の品質へのこだわりは半端ではない。もちろん多くの他の〈チューダー〉製ウォッチと同様、約70時間ものパワーリザーブを備えているため、利便性の高さもお墨付きだ。
元々〈ロレックス〉のディフュージョンブランドとして生まれた〈チューダー〉だけに、伝統的でアイコニックなデザインはもっとも得意とするところ。「ブラックベイ・セラミック」はそういったヘリテージ的な一面を前面に出さずに、モダンでクールなベクトルで新しい価値観を生み出すことに成功している。最先端の技術を駆使しながらクラシックなデザインを現代的にアレンジできるセンスとテクニックが詰まった「ブラックベイ・セラミック」は、国内の〈チューダー〉正規販売店で発売中。
初代クロノグラフ誕生50周年を記念して発売された2021年型ブラックベイクロノも要チェック。
ヴィンテージウォッチマニアがヨダレを垂らして欲しがる薔薇サブは「古き良き」を何よりも愛する方におすすめだ。
また、真っ黒の腕時計としてオメガ・シーマスター・ブラック・ブラックも選択肢のひとつとしてお忘れなく。

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