イタリアのハイパーカーメーカー、パガーニが5台限定・10億円のウアイラ・コダルンガを発表
往年のLe Mansレーシングカーからインスパイアされたロングテール仕様のスペシャルカーが完成。5台限定・10億円という価格もさることながら、この時代にこれほどクラシカルなクルマを生み出す〈PAGANI〉に世界中のクルマ好きが喝采を送っている。
〈PAGANI〉の長い歴史の中でも特筆すべき一台が完成
1992年にイタリア・モデナで創設されたハイパーカーメーカー〈PAGANI AUTOMOBILI(パガーニ・アウトモビリ)〉が5台限定のスペシャルモデル、HUAYRA CODALUNGA(ウアイラ・コダルンガ)を発表した。
スーパーカーならぬハイパーカーという超ニッチな市場で〈パガーニ〉が作り上げてきた伝説に、またひとつ新たなページが加わった。毎年のように発表される同社の特別仕様車はもれなく世界中のカー・エンスージアストたちから熱い視線を浴びているが、先日発表されたウアイラ・コダルンガは過去に製作されたどのモデルと比べても特筆すべき一台と言えるだろう。
フラッグシップモデルのHuayra(ウアイラ)をベースにロングテール仕様のスペシャルカーを作れないか?というワガママな要望が顧客から〈パガーニ〉社にもたらされたのがすべての始まり。〈パガーニ〉はごく限られた上顧客のためだけに特別なカスタムモデルやワンオフモデルを製作することがあるが、ロングテール仕様を希望した顧客も同社にとっては大切な存在なのだろう。そして、クラシカルなロングテール仕様のウアイラを製作すること自体にも魅力を感じたはずだ。こうして、ロングテール仕様のスペシャルなウアイラの開発が決定した。製作するのは、同社が近年新たに創設したグランディ・コンプリカツィオーニ部門(特別プロジェクト部門)だ。
フラッグシップモデルのHuayra(ウアイラ)をベースにロングテール仕様のスペシャルカーを作れないか?というワガママな要望が顧客から〈パガーニ〉社にもたらされたのがすべての始まり。〈パガーニ〉はごく限られた上顧客のためだけに特別なカスタムモデルやワンオフモデルを製作することがあるが、ロングテール仕様を希望した顧客も同社にとっては大切な存在なのだろう。そして、クラシカルなロングテール仕様のウアイラを製作すること自体にも魅力を感じたはずだ。こうして、ロングテール仕様のスペシャルなウアイラの開発が決定した。製作するのは、同社が近年新たに創設したグランディ・コンプリカツィオーニ部門(特別プロジェクト部門)だ。
グランディ・コンプリカツィオーニ部門のプロフェッショナルたちがこの要望に対して出した答えは、ウアイラの直線的なボディラインを活かしながら1960年代にあのLe Mans(ル・マン)24時間耐久レースで活躍していた伝説的なレーシングカーのロングテールシルエットを融合させることだった。この挑戦的なコンセプトを完成させるために専門チームは縮尺モデルと実物大のクレイモデルの2つを作り、優美で豪華なシルエットを生み出した。
最高出力830bhpを発揮するツインターボV12エンジンを搭載
その素晴らしい結果はご覧の通り。クルマ好きもしくはレース好きであれば誰もが黄金時代のル・マンレーシングカーを即座に思い出すであろうロングテールシルエットは、2022年に誕生したクルマとは思えないほどクラシックカーだけが持つ美しさを見事に再現している。ノーマルのウアイラと比べて360mm長いお尻はそっと撫でたくなるほど優雅なラインを描き、一切の破綻がない。360mmも長くすると普通はデザイン上のバランスが崩れ、素人が見ても違和感を感じることになる可能性の方が高いはず。すでに完成しているウアイラをベースに改良していることも、デザインの面でもエンジニアリングの面でも決して簡単ではなかったはずだ。それでも完璧にセクシーに再構築してしまう〈パガーニ〉は、やはり物凄い技術力とデザインセンスを持つ稀有な会社なのだ。
延長されたエンジンカバーの下に収まるのは最高出力830bhp、最大トルク1,020Nmを発生する6.0リッターのツインターボV12エンジン。自動車業界にもエコの波が押し寄せている現代において、ツインターボで過給したV12エンジンをドヤ顔で採用すること自体に痛快さを感じてしまう。たった5台しか製作されないクルマなら恐竜のようなエンジンを載せてガソリンをまき散らしても構わないでしょ、という暗黙の了解はあるとしても、味も素っ気もないスーパーカー/スポーツカーが増えた今の時代にこういったクルマが新規製作されることはやはり嬉しい。
ウアイラ・コダルンガは、黄金時代のル・マン・レーシングカーのDNAを受け継いだ一台
ハイパーカーの世界においてレオナルド・ダ・ヴィンチに例えられる創業者のHoracio Pagani(オラチオ・パガーニ)氏は、ウアイラ・コダルンガについてこう語っている。
「ウアイラ・コダルンガは、風によって撫でられて成形されたかのように長く滑らかで、クーペよりもさらにエレガントなラインでデザインしました。加えるのではなく、取り去るのです。シンプルにするということは決して簡単なことではありません。このクルマは何よりも、シンプルなアイデアを複雑に追求した結果なのです」。
確かに、このクルマをじっと眺めるとウアイラの美しさをまったくスポイルすることなく別のクルマとして生まれ変わらせていることがよく分かる。なだらかな曲線を描きながら後方に向かってやや尻上がりになるボディラインは完璧だし、斜め後方から眺めると3連のテールライトの造形と配置バランスも中央から突き出る4発のエキゾーストパイプもデザインのひとつとして優雅に調和しているのだ。エンジンルーム内は工芸品のように美しいし、インテリアは他のすべての〈パガーニ〉製ハイパーカーと同じくラグジュアリーを極めながらスポーティーな空間に仕上がっている。もしあなたが億万長者で超高級スーパーカーを探している場合、これ以上の選択肢があるだろうか?
「ウアイラ・コダルンガは、風によって撫でられて成形されたかのように長く滑らかで、クーペよりもさらにエレガントなラインでデザインしました。加えるのではなく、取り去るのです。シンプルにするということは決して簡単なことではありません。このクルマは何よりも、シンプルなアイデアを複雑に追求した結果なのです」。
確かに、このクルマをじっと眺めるとウアイラの美しさをまったくスポイルすることなく別のクルマとして生まれ変わらせていることがよく分かる。なだらかな曲線を描きながら後方に向かってやや尻上がりになるボディラインは完璧だし、斜め後方から眺めると3連のテールライトの造形と配置バランスも中央から突き出る4発のエキゾーストパイプもデザインのひとつとして優雅に調和しているのだ。エンジンルーム内は工芸品のように美しいし、インテリアは他のすべての〈パガーニ〉製ハイパーカーと同じくラグジュアリーを極めながらスポーティーな空間に仕上がっている。もしあなたが億万長者で超高級スーパーカーを探している場合、これ以上の選択肢があるだろうか?
これほど豪華な内装でツインターボ過給のV12エンジンを搭載しながら、車重はたったの1,280kgしかないことにも触れておきたい。ボディがカーボン製であることを差し引いても、各種快適装備を積んだ現代のスポーツカーを1,300kg以下の車重に抑えたことは奇跡的と言っていい。筆者はこの圧倒的な車重の軽さを知った時に、どれほどラグジュアリーであろうともこのクルマが絶対的な性能を重視したハイパーカーであることをオラチオ・パガーニ氏が決して忘れていないことの証明だと思った。
〈パガーニ〉ウアイラ・コダルンガは合計5台のみがイタリア・モデナの自社工場で製造され、価格は1台7,000,000ユーロ(約10億円)もする。ビリオネアしか手が出せない金額である以上、私たちはPC上の美しい画像を眺めることしかできないけれど、この手のハイパーカーに価格自体はほとんど意味がない。存在自体が文化的であり、人間の叡智が凝縮された芸術品なのだから。もし1960年代にル・マン24時間耐久レースで活躍していたレーサーや、そのレーシングカーを開発していたデザイナーやエンジニアたちにウアイラ・コダルンガを見せたらどんな反応をするだろう?きっと彼らは満足そうに「確かに当時のレースカーのエッセンスを強く感じる美しいクルマだ」と言うのではないだろうか。
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2022年に電撃復活したランボルギーニ・カウンタックの記事も要チェック。
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CAR CREDIT
- PAGANI AUTOMOBILI:HUAYRA CODALUNGA