What you get with 70,000 yen jeans

7万円のジーンズで得られるもの – 45R 再び6.5の藍空比古比女

メイドインジャパンのモノ作りを極める〈45R〉が作る渾身のジャパンデニム。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : 45R

「たかがジーンズ」?「されどジーンズ」?

「たかがジーンズや。洗え」という名言をご存じだろうか。リアルなヴィンテージレプリカジーンズを生み出し、1990年代に一時代を築いた〈DENIME(ドゥニーム)〉を立ち上げた後に〈RESOLUTE(リゾルト)〉を主催する日本デニム業界の重鎮、林 芳亨氏が残した言葉だ。最高の色落ちを目指すデニム狂の間でささやかれる「穿き下ろしから半年間は洗ってはいけない」「なんならいつまでも洗わずに穿く方が良い」というこだわりに対して、たった二言でバッサリ斬り落とすこの痛快さよ。
実際のところは確かに洗濯を我慢し穿きこむ方がコントラストが強く迫力のある色落ちに変化することも確かなのだが、「たかがジーンズや」という言葉は少なからずデニム狂をハッとさせる真理があった。
「たかがジーンズ」と捉えるか「されどジーンズ」と捉えるかによって、ジーンズを購入する時にお金をいくら出すかが大きく異なるはずだ。筆者は自他ともに認めるデニム好きではあるものの、自分の中で何となく相場観のようなものはある。ジャパンデニムを使ったセルヴィッジジーンズの場合、2万円前後であれば購入にためらいはない。3万円を超えるとよほどのことがない限りは購入候補から外れてしまう。なぜなら、多くのジャパンデニムが作るジーンズが2万円~2万5千円くらいの価格帯で販売されているから。だから〈45R(フォーティファイブ・アール)〉の7万円超のジーンズは購入することを考えると物凄くハードルが高い。どれほどジーンズが好きであっても恐らくほとんどの人がそうだろう。一般的な相場観から大きく逸脱した7万円のジーンズには一体どんな魅力があるのだろうか?

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25年の時を経て再び蘇った6.5番手という極太の糸

〈45R〉は1977年に創立し、かつては〈45rpm〉というブランド名で活動していた日本のファッションブランド。「気持ちの良い服を着て喜んでいただきたい」という思いのもと、素材や縫製、仕様にこだわった高品質で丈夫なカジュアルウェアを国内外で展開。南青山や銀座といった日本の最先端のファッションが集結する場所で直営店を構えるほか、アメリカ・ニューヨークやヨーロッパなどでも店舗を展開し、メイドインジャパンのモノ作りを世界中に発信するグローバルブランドだ。
洋服作りにおいて妥協を許さない姿勢を持つことでも知られている。糸の段階からオリジナルの素材を開発し、その素材に合う形を追求。もちろんアイテムを問わず日本の熟練した職人たちがハンドメイドで仕立て上げる製作方法を採っている。
素材をどこかから調達することを基本とせず、すべてではないにしろ多くの素材を一から開発。さらに染色やパターン作り、縫製など洋服作りのありとあらゆる場面で徹底的なこだわりを持つ〈45R〉は、デニムに限らずすべての商品が基本的に高額であることも有名だ。ただし、圧倒的と言っていいほどの質の高さを備えているからこその高価格であることは〈45R〉ファンにとっては周知の事実だろう。
本稿でピックアップしている「再び6.5の藍空比古比女」は、そんな〈45R〉の頭ひとつ抜けたモノ作りへのこだわりが凝縮された一本。ベースになったのは約25年前にヴィンテージジーンズを参考に初めて制作した5ポケットジーンズだ。6.5番手という極太の糸でざっくりと織られたデニムはデコボコした生地感が特徴で、穿きこむほどにムラのある色落ちへと成長していく。当時としてはかなり特殊なジーンズだったことは想像に難くないそのジーンズを再び作りたいという思いから「再び6.5の藍空比古比女」という〈45R〉らしいモデル名が与えられた。

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穿き、エイジングさせること自体がラグジュアリーな体験になる

ベーシックな5ポケットジーンズであることは25年前と比べても変化はないものの、当然「再び6.5の藍空比古比女」は今の〈45R〉を表すデザインと仕様にアレンジされている。糸の時点で自社開発できるからこそ味わえる独特のデコボコ感のあるデニムは、新品状態では生地自体に特徴のある立体感を楽しむことが可能。穿きこむほどにムラッ気のあるエイジングに成長する点もデニム好きであればたまらないはずだ。
腰回りのデザインや右バックポケットにさり気なくチェーンステッチで入れられる「R」のイニシャルといった、他ブランドにはないデザインや100%オリジナルの副資材のクオリティの高さも見逃せない。そして、一般的な合成インディゴではなく非常にコストのかかる天然藍染めで染められていることが7万円超という価格であることの最大の理由だ。日本の伝統技法である天然藍染めは美しい染色に仕上がるものの、今でも職人が完全に手作業で幾度も染める必要があるため、必然とコストが大幅に増大する。コストカットが正義と言われる時代は過去になりつつあるとはいえ、売れなければ話にならないのも事実。だからこそ多くのファッションブランドが天然藍染めをやりたくてもあきらめざるを得ないのだが、メイドインジャパンであることに強い誇りを持つ〈45R〉は当たり前のように商品化してしまう。
デニムウェアとしては異例である4.5年保証が与えられる〈45R〉の「再び6.5の藍空比古比女」を手に入れて得られるものは、商品自体の圧倒的なクオリティはもちろん、日本の伝統技法を日常生活で毎日味わえることにもある。華美さが一切ないミニマルなデザインであることもこのジーンズの魅力だろう。7万円超のジーンズを普通に穿くという体験自体がラグジュアリーだし、オーナーひとりひとりの体型やライフスタイルに合わせて経年変化を変える様子も愛しい。このジーンズを5年~10年着用したらどんな見た目になるだろう?デニム好きであれば想像するだけでワクワクしてしまうはずだ。
〈45R〉の「再び6.5の藍空比古比女」は直営店をはじめ、「公式オンラインストア」でも販売中。一生物のジーンズをお探しの方はチェックしてみよう。
LIVE IN RUGGEDがお届けする〈45R〉の記事はこちらから。
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