1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial

トロピカルダイヤルの ROLEX エクスプローラーI Ref.1016 がある暮らし

トロピカルダイヤルの〈ROLEX〉EXPLORER Iがある人生が豊かでなければ、一体何が豊かなのだと言うのだろう?初心者からコアな時計マニアまでをも魅了する、時代を超越したタイムマシンのある人生を想像してみよう。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : BULANG&SONS

腕時計黄金時代の傑作モデル、Ref.1016

空前のバブルと呼ばれるほど価格が高騰し、そのニュース性の高さから二次流通市場の価格ばかりが話題になりがちの〈ROLEX(ロレックス)〉。確かに並みいる強豪を押しのけて世界的な人気を集める〈ロレックス〉の人気は天井知らずで、プレミア化のレベルも異常と言えるほど。かつてはボーナスで買えたあのモデルもいつの間にか数百万円が最低ラインに…。こうなると欲しくても多くの人はまったく手が出ない。デザインと技術力は世界一級ながら質実剛健なブランドである〈ロレックス〉は、誤解を恐れずに言えば大衆の見方だった。コロナ禍や戦争の影響などで近年は値上げが続いているものの、現行モデルの新品価格は普通のサラリーマンが頑張って貯金すれば手が届く価格設定のまま。ところがあまりの人気っぷりに直営店にはまったく在庫がなく、並行店をはじめとした二次流通市場の方が爆発的に値上げした状態が何年も続いている。需要と供給のバランスがこれほど狂っているブランドは、世界広しと言えども〈ロレックス〉と〈HERMÈS(エルメス)〉くらいだろう。
いずれこのバブルが収まる時がくるはずだが、〈ロレックス〉自体の人気が下がることは限りなく低い。現行モデルや近年製造された比較的新しいモデルの市場価格は現実的になる可能性はあるものの、数十年前のヴィンテージモデルは現在の価値をほぼ維持するのではないかと思われる。理由は、1950~70年代のヴィンテージウォッチは職人の手作業が多く入っており、現在に続く超人気モデルが多く生み出された黄金時代だから。本稿でフィーチャーする〈ロレックス〉EXPLORER I(エクスプローラーI)は、第二次世界大戦後に広がった探検ブームに乗り、過酷な環境下でも最高のパフォーマンスを発揮できるプロフェッショナル・ウォッチ=人類未踏の地へチャレンジする探検家(エクスプローラー)のために開発されたモデルとして、1953年に誕生した。
クロノグラフ機能はもちろん、日付表示すら持たないシンプルな機構とデザインは、〈ロレックス〉流の「LESS IS MORE」の精神の現れと言えるかもしれない。削ぎ落とすことで普遍的な美を獲得したエクスプローラーIが男女問わず幅広い年齢層のファンを獲得したことはまさに必然。このモデルは年式を問わず常に高い人気を持っているが、1960年~1989年に製造されたRef.1016は特にヴィンテージ・ロレックスを代表する傑作モデルとして評価されている。

1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial
1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial

1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial
1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial

世界にひとつの〈ロレックス〉エクスプローラーI

今後ヴィンテージの〈ロレックス〉エクスプローラーIを手に入れるならぜひとも候補に入れておきたいのが、トロピカルダイヤルの個体だ。長い経年変化により文字盤がブラウンチェンジしたものをトロピカルダイヤルと呼ぶことは時計好きには説明不要かと思われるが、永久定番品であるエクスプローラーIにも味のあるエイジングを果たした個体が見受けられ、ほぼ例外なく通常のものよりも高い価値が与えられている。
トロピカルダイヤルのヴィンテージ・ロレックスの市場価値はいかに美しくブラウンチェンジしているかにもよるが、こちらのエクスプローラーIのエイジング具合は良い好例と言えるだろう。元々のブラックが均一にブラウンチェンジし、所々がより強烈に色褪せした文字盤はまさに唯一無二。同じ型番のエクスプローラーIは多くあれど、まったく同じルックスの個体は世界に二つとない。手に入れることができれば完全にあなただけのエクスプローラーIになるのだ。

1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial
1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial

1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial
1966 Rolex Explorer Ref.1016 Gilt Tropical Dial

ふとした日常を豊かにしてくれる珠玉の〈ロレックス〉

オリジナルのオイスターリベットブレスレットが付属し、色褪せた夜光も当時のまま。もちろんムーブメントもオリジナルのCal.1560を搭載している。テンプ回りをケースから取り外すことなく調整できるCal.1560はメンテナンス性の高さからも名機と呼ばれており、数十年前の時計とは思えないほど正確に(そして自動で)時を刻む。コンパクトなケース径(36mm)とぷっくりと盛り上がるドーム型の風防も、ヴィンテージウォッチらしさを強く感じるアイコニックな要素だ。1988年まで生産されたRef.1016は年代により前期型と後期型に分けられており、本稿の個体は1966年製なので貴重な前期型となることも付け加えておきたい。
この貴重な時計を初めての〈ロレックス〉として選ぶにはややハードルが高いかもしれない。しかし、2本目、あるいは人生最後の時計として手に入れる対象としてはトロピカルダイヤルの〈ロレックス〉エクスプローラーIは最良の選択になるだろう。
この美しい時計を身に付ける毎日を想像してみてほしい。ファッションの系統を問わず腕もとでさり気なく上品さをアピールし、あなたという人間の価値観を如実に表現してくれる。どんなタイプの時計好きと出会っても一目置かれることも間違いない。腕時計をステータスとして取り扱うことには完全には賛成できないけれど、良い時計が良い出会いをもたらしてくれることは事実だと思う。また、ゆったりとした休日に自宅でコーヒーを飲みながら静かに時を刻む様子を眺めるのも至福の時間になりそうだ。自分の人生に驚異的に美しく価値のある〈ロレックス〉を取り入れることは、支払う金額以上の素晴らしい体験になる。蛇足ながら、もしあなたに子供がいれば、いつかいなくなるあなたが遺す最高の遺産にもなるかもしれない。
LIVE IN RUGGEDがお届けする〈ロレックス〉の記事はこちらから。
ブランドを問わない時計関連の記事はこちらをチェックいただきたい。
LIVE IN RUGGED公式ツイッターのフォローもお忘れなく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。