First shop 2023 Part1

【後編】2023年を過去最高の一年にするにふさわしい初買いアイテムを探す

円安、物価高、戦争、いまだ猛威を振るうコロナ禍…。ふと世の中を見回すとネガティブな気持ちになることばかり。でも大丈夫。1年の最初の買い物を思いっきり奮発すれば2023年は最高の一年になるはず。


Written : LIVE IN RUGGED

42,500ドルでも安い!
完全に手が届かなくなる前に手に入れるべき〈Audemars Piguet〉Royal Oak Day Date With Moonphase Ref.25594

「2023年を過去最高の一年にするにふさわしい初買いアイテムを探す」というテーマのもと、昨日お届けした前編では〈ROLEX(ロレックス)〉のGMT MASTER(ヴィンテージ)や〈Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)〉のデニムジャケット、〈JIL SANDER(ジル・サンダー)〉のホワイトシャツ、そして〈J.M. WESTON(J.M. ウエストン)〉のローファーをお届けした(詳しくは以下の「併せてチェックしたい」を参照)。後編となる本稿でも2023年初買いにふさわしいラグジュアリーな逸品を複数セレクトしたので、正月早々物欲をたぎらせている罪深い読者の皆様のご参考になれば幸いだ。
まずは〈Audemars Piguet(オーデマ・ピゲ)〉のウルトララグジュアリーなゴールド製ウォッチ、Royal Oak Day Date With Moonphase Ref.25594から。
スポーツウォッチというカテゴリには魅力的な時計が山のように存在するが、この時計はラグジュアリーさという点で頂点に立つモデルのひとつだろう。Charles Gérald Genta(チャールズ・ジェラルド・ジェンタ)が生み出した美しく画期的なデザインは20世紀から21世紀を繋ぐヘリテージであり、多くの熱狂的な時計好きの憧れであり続けている。ロイヤルオーク・デイト・ウィズ・ムーンフェイズ Ref.25594は36mmの小振りなケースに曜日、日付、ムーンフェイズを備えた多機能クロノグラフ。ケースとブレスレットは眩いオールゴールド製だ。
アイコニックな八角形のケースにはトップに控えめにブランドロゴが鎮座し、中央左右には曜日と日付のサブダイヤル、6時位置にムーンフェイズを配置。特徴的な大きな2つのダイヤルがあることから、時計ファンの間では「フクロウ」という愛称で親しまれている。
スポーツウォッチでありながら気品あふれる雰囲気が多分にあり、他メーカーのどのモデルにも似ていないオリジナリティーの高いデザインを楽しむことができる〈オーデマ・ピゲ〉ロイヤルオーク・デイト・ウィズ・ムーンフェイズ Ref.25594は、簡単に手に入れられる類の時計ではない。とはいえ、42,500ドルという価格は希少性と時計としての価値、ヒストリーを考えるとむしろ安価であると言えるかもしれない。今後もっと市場価格が上昇する可能性は非常に高いだろう。
今この瞬間も売れてしまう可能性があるが、1987年製〈オーデマ・ピゲ〉ロイヤルオーク・デイト・ウィズ・ムーンフェイズ Ref.25594は「HODINKEE(ホディンキー)公式オンラインストア」にて販売中。価格は前述の通り42,500ドルとなる。

1987 Audemars Piguet Royal Oak Day Date With Moonphase Ref.25594
1987 Audemars Piguet Royal Oak Day Date With Moonphase Ref.25594

1987 Audemars Piguet Royal Oak Day Date With Moonphase Ref.25594
1987 Audemars Piguet Royal Oak Day Date With Moonphase Ref.25594

浮き上がるモノグラム・パターンが大人っぽさ満点
〈LOUIS VUITTON〉のラムレザーブルゾン

2022年秋冬のランウェイでは多くのブランドがクラシックなブルゾンを独自にアレンジしたアウターを発表していた。〈LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)〉が作るそれは世界トップのメゾンらしく贅を尽くした作りだが、悪目立ちせず多くの人の日常的なワードローブに溶け込むデザインであることも好ましい。
LVSE デボスモノグラムミックスレザーブルゾンは艶やかなラムレザーを使用し、レギュラーシルエットで構築したブルゾン。遠目で見ると真っ白なスムースレザーかと思いきや、実は全体にさり気なくモノグラム・パターンをエンボス加工するという〈ルイ・ヴィトン〉特有の贅沢な仕様となっている。
レザー自体はしっとりと落ち着いた自然な光沢感である点も着やすさを考えると嬉しいポイント。この手のブルゾンがギラギラしすぎていると見方によっては下品な雰囲気になってしまうからだ。モノグラムをエンボス加工で浮き上がらせる仕様でありながら落ち着いた印象なのは、オフホワイトというカラーリングもさることながら、レザー自体の質感によるところも大きい。さり気なく背面にセットされている「Louis Vuitton Staples Edition」を象徴するタグも、手に入れたオーナーだけが楽しむことのできる良いディテールだ。
カジュアルやロック方向になりがちなショート丈のブルゾンをラグジュアリーかつ大人っぽく楽しむことのできる〈ルイ・ヴィトン〉LVSE デボスモノグラムミックスレザーブルゾンは、「〈ルイ・ヴィトン〉公式サイト」にて販売中。価格は610,500円となる。

Maison Margiela Denim Jacket
Maison Margiela Denim Jacket

Maison Margiela Denim Jacket
Maison Margiela Denim Jacket

独自のデザインと作り、伝説的なカラーでストリートの視線を独り占めにする
〈Nike〉×〈OFF-WHITE C/O VIRGIL ABLOH™〉エアジョーダン1“UNC”

過去に発売されたレアで高額のスニーカーを思い切って大人買いするのも年始めの贅沢にふさわしい。〈Nike(ナイキ)〉と〈OFF-WHITE C/O VIRGIL ABLOH™(オフホワイト c/o ヴァージルアブロー)〉が2018年6月に発売したAir Jordan 1 High THE TEN “UNC”(エアジョーダン1 ハイ ザ・テン“UNC”)は、2023年1月の時点で20万円台後半~30万円台後半の価格で売買されている超人気モデル。定価は22,000円だったので実に10倍以上のプレミア価格に化けたわけだが、スニーカーヘッズであればそれも納得できるのではないだろうか。
これほど人気が高いのは〈オフホワイト c/o ヴァージルアブロー〉らしいデザインと凝った作りにある。一度切り取って手作業で縫い付けたようなスウッシュが他のモデルには決してない独特の立体感を与え、ミニマルなタイポグラフィーも一目で〈オフホワイト c/o ヴァージルアブロー〉とのコラボレーションモデルだと分かる。2018年当時はヨーロッパのハイブランドを筆頭に、既存のデザインや作りをサンプリングしたり再構築する手法がトレンドであったことが記憶に新しい。Air Jordan 1 High THE TEN “UNC”はサンプリング・再構築を象徴する一足でもあり、時代を代表する傑作と言っていいだろう。
また、モデル名にあるように“UNC”はバスケットボール界のレジェンド、Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)の母校であるノースカロライナ大学のカレッジカラーである点も人気の秘訣。爽やかなブルーとホワイトの組み合わせはエアジョーダン1にとっても特別なカラーで、ヴィンテージの世界でもスウェットなどが高値で売買されている。ラグジュアリーストリートという新しいファッションジャンルを牽引する〈オフホワイト c/o ヴァージルアブロー〉が非常に人気の高い“UNC”カラーを採用したことも、このエアジョーダン1が世界的に高い人気を維持している理由だ。
高いデザイン性とオリジナリティー、王道のカラーウェイ、絶対的な流通量の少なさによりカリスマ的な人気を持つAir Jordan 1 High THE TEN “UNC”は、他のスニーカーでは得られない高い自己満足度を得ることができる。ストリートの視線を独り占めにするレアモデルを新年一発目の買い物にするのもいいかもしれない。
〈Nike〉×〈OFF-WHITE C/O VIRGIL ABLOH™〉Air Jordan 1 High THE TEN “UNC”は「FARFETCH公式オンラインストア」で販売中。価格はサイズにより異なるが、400,000円前後となる。

JIL SANDER White Shirt
JIL SANDER White Shirt

JIL SANDER White Shirt
JIL SANDER White Shirt

生涯にわたって毎日楽しめるKYNEのアート

「2023年を過去最高の一年にするにふさわしい初買いアイテムを探す」というテーマでショッピングをするのであれば、その対象はファッションだけには収まらない。部屋に飾って毎日楽しめるアート作品を大胆に購入するのはいかがだろうか?お気に入りのアートがあれば、今後あなたがどんな部屋に住んでもそこが最高にくつろげる場所になるはずだ。
LIVE IN RUGGEDがおすすめするのは押しも押されぬ人気アーティストとなった〈KYNE(キネ)〉の作品。1988年に福岡県に生まれたKYNEは高校時代に人物デッサンやストリートアートに目覚め、大学では日本画を専攻。2006年頃からアーティスト活動を本格的に開始し、2010年にクールな表情の女性を描く現在のスタイルを確立した。日本画の技法をベースに、アクリルを使って平面でモノクロの人物画をファッショナブルに描くという独自のスタイルは間もなく国内外問わず爆発的な人気を獲得し、現在では最低でも100万円以上の価格で取引されている。
シンプルな線で描かれるモノトーンの女性は都会的でありながらどこかノスタルジックで、例えば1990年頃に制作したと言われても納得してしまいそう。特定の時代に捉われない作風もKYNEのアートの特徴と言えるだろう。本稿でセレクトした作品は30.3cm×30cmのキャンバスにシルクスクリーンでポーズをとる女性が描かれており、鮮やかなグリーンカラーの背景がポップな空気感を醸し出している。100点作られたうちの24番目のリミテッドエディションということもあり、816万円という非日常的なプライスが現在のKYNEの人気っぷりを如実に表していると言えよう。
KYNE Untitled 2020 Canvas full setは「HBX公式オンラインストア」で販売中。価格は先に述べたように約816円となる。

J.M. WESTON Signature Loafer
J.M. WESTON Signature Loafer

値段にかかわらず自分が満足できる逸品を探そう

短期連載「2023年を過去最高の一年にするにふさわしい初買いアイテム」はこれにて終了。あえて高価格のモノばかり集めたのでやや非現実的なセレクトだったかもしれないが、何かしらの参考になると幸いだ。いずれにしても新年最初の買い物はショッピング好きにとってはある意味で神聖なもの。言うまでもなく満足感を得るためには高額である必要はまったくないので、ぜひご自身にとって最適な逸品を手に入れていただきたい。
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