TOM WOOD が創立10周年を祝うアニバーサリーコレクションを発表

Mona Jensen（モナ・ヤンセン）が2013年にノルウェー・オスロで立ち上げた〈TOM WOOD（トム・ウッド）〉がブランド創立10周年を迎える。高品質なシルバーやゴールドを使ったハイセンスなジュエリーラインはもちろん、近年ではウェアも高い人気を持つ〈トム・ウッド〉は、ここ10年でもっとも成長を遂げたジュエリーブランドのひとつ。最大の特徴は、男女問わず洋服に対して強いこだわりを持つファッショニスタたちから絶大な支持を集めていることだ。イギリスやイタリアのジュエリーブランドに見られる、自国の文化や歴史を強く反映したクラシックなデザインとはひと味違い、アメリカ的なキャッチーで分かりやすいアプローチとも明確に異なる〈トム・ウッド〉の世界観は、生活自体にミニマルな上質さが根付いているノルウェーならではの息吹が感じられるのだ。マニアックなデザインにはせず、身に着ける人のファッションに自然に溶け込むようなニュートラルなデザインアプローチこそが、多くのファッショニスタたちから〈トム・ウッド〉が愛されるゆえんだろう。

2013年にブランド創立10周年を迎える〈トム・ウッド〉のアニバーサリーコレクションは、今後複数回に分けて登場するようだ。第1弾は同ブランドを象徴するシグネットリングを再解釈し、メッシュ状にリデザインしたMesh Collection（メッシュコレクション）をはじめ、ノルウェーに古くから伝わる魔除けとしてのシルバーの歴史とブルータリズム建築からインスパイアされたVault（ボルト）、ノルウェー出身のエレクトロデュオ「Röyksopp（ロイクソップ）」とのコラボレーションとなるCage（ケージ）という2つのコレクションをアップデートした新作ジュエリーがラインナップ。いずれも〈トム・ウッド〉らしいシンプルかつミニマルな方向性で統一され、洋服の系統を問わずに着用できるデザインに仕上がっている。

アニバーサリーコレクション第1弾でもっとも注目したいのはメッシュコレクション。先に述べたように、メッシュコレクションはクラシックなシグネットリングを今の時代に再解釈したもの。建築に見られるスケルトン構造から着想を得た革新的なデザインは、同ブランドが持つミニマルでありながら大胆であるという表現手法を最大限発揮して作られた。細かいフレームが入り組むように構成されたリングは、見る角度によって印象を変える立体的な造形美を思う存分楽しむことができる。
また、全体をメッシュ状にしているため、ジュエリー製作時におけるほぼすべての工程で非常に手間が掛かる点も付け加えておきたい。例えばポリッシュ（磨き）する場合、メッシュの裏側などをきれいに磨くにはフラットなデザインとは比較にならないほど集中して行う必要がある。そして、通常リングは1～2個の原型があれば幅広いサイズで量産することができるのだが、こちらのリングは全体がメッシュ状なので、サイズ展開用の原型を必要なサイズ分すべて製作する必要があったはずだ。原型製作時はもちろん、量産ラインに載せてからもシンプルなリングよりもずっとコストの掛かるメッシュコレクションには、〈トム・ウッド〉の本当に美しいモノを妥協せずに作りたいという意思が込められていると感じるのは、筆者だけではないだろう。

本コレクションはスターリングシルバー、9Kゴールドともにリサイクルされた地金を使用。すでにある洗練された素材を鋳造することにより、各ジュエリーが与える環境への影響を大幅に削減できるというリサイクル素材を積極的に用いる点も、ノルウェー発祥のブランドらしい。当然ジュエリーとしてのクオリティーはリサイクル素材であっても担保されており、その美しさは上のフォトギャラリーをご覧いただければ一目瞭然だろう。

洗練されたデザインと高い品質で目の肥えたファッション好きを魅了してきた〈トム・ウッド〉の新しい10年をスタートするにあたり、今回発表されたアニバーサリーコレクションは最高のアイテムだ。年齢や性別、そして時代すら超越したジュエリーを生み出す〈トム・ウッド〉のこれまでを凝縮しながら、現状に満足せず新しいデザインやテクニックに果敢に挑む姿勢は、ひとりのジュエリー好きとして否が応でもワクワクさせられてしまう。
〈トム・ウッド〉の10周年アニバーサリーコレクション3月1日（水）から同ブランドの「公式サイト」にてローンチ予定。併せて〈トム・ウッド〉取扱店舗でも順次発売が開始される。

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