LVMH系列の投資会社が 日本のファッションブランド KAPITAL を買収
岡山県を代表するファッションブランドのひとつである〈KAPITAL〉をLVMH系列の投資会社がまさかの買収、取引額は非公開
ジョン・メイヤーやASAP Rockyも愛用する純日本製ブランド
「LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ」系列の投資会社「Lキャタルトン」が、岡山県倉敷市児島のファッションブランド〈KAPITAL(キャピタル)〉の株式の過半数を取得したと海外メディアを中心に報じられた。取引額は明らかにされていない。
〈KAPITAL〉は1995年に岡山県倉敷市で設立された日本のファッションブランド。ブランド立ち上げ前は〈45R(フォーティファイブ・アール)〉や〈HYSTERIC GLAMOUR(ヒステリックグラマー)〉、〈HOLLYWOOD RANCH MARKET(ハリウッドランチマーケット)〉などのOEMを行う縫製工場として長く活動しており、「自分たちの作りたい物を表現したい」という想いで1995年にブランドとしてスタートしている。世界トップクラスの品質と技術を持つ岡山県産のデニムを中心にしたウェアや、綿・麻・シルクなどの天然素材を使い、民族衣装をミックスしたようなデザインやリメイクアイテム、再構築のアイテムも高く評価されている。近年はアメリカのトップギタリストであるJohn Mayer(ジョン・メイヤー)がオンオフ問わず愛用。ファッションアイコンであるASAP Rocky(エイサップ・ロッキー)も愛用者のひとりだ。また、近年は海外の著名なセレクトショップでも取り扱いが広がり、世界的な評価が高まっていた。
オンリーワンのもの作りが魅力の〈KAPITAL〉、今後は世界進出が加速か?
古き良きアメリカンカジュアルをベースに、刺し子や藍染といった日本の伝統技術を組み合わせた独自のクリエイションで、オールドスクールなアメカジファンやデニム好き、ファッションラバーまで幅広く虜にする稀有なブランドである〈KAPITAL〉。ファッション業界のメインストリームを目指すのではなく、メイドインジャパンの技術力を活かしながらオンリーワンなもの作りを続けてきたことが最大の特徴であり、魅力であると言っていいだろう。
トレンドの中心を歩まない純日本製の〈KAPITAL〉のようなブランドがLVMH系列の会社に買収されたことは、個人的には驚きが強い。恐らくブランドとして歴史が長く高い技術力を持っていることはもちろん、世界的な人気が高まっていることも買収オファーの理由なのだろう。買収されたことで〈KAPITAL〉の方向性が変わるとは思えないが、世界進出のスピードは高まるのではないか。ファッション好きの日本人としては今後の動向も注目したい。
ITEM CREDIT
- KAPITAL:2025 Spring Summer Collection