
反骨精神の共鳴 – クロムハーツを身に着けるオジー・オズボーン
先日逝去された“メタルの帝王”オジー・オズボーンが愛用していた特別な〈CHROME HEARTS〉を着用写真とともに紹介
Written : LIVE IN RUGGED
精神性の共鳴
こちらの記事でお伝えしたように、“メタルの帝王”Ozzy Osbourne(オジー・オズボーン)が、7月22日(現地時間)に76歳で亡くなった。それ以来、世界中でオジーを惜しむ声がやまない。伝説的なヘヴィーメタルバンド BLACK SABBATH(ブラック・サバス)をはじめ、ソロキャリアでも華々しいキャリアを築いたオジーの人生は、波乱万丈でありながら、音楽への愛に満ちていた。その容貌と言動、ステージでのアクションなどから悪魔的なイメージを持つ人もいまだに多いが、実際は愛情にあふれた優しい人物であったことはファンであればご存じのはず。しかし、これほど人気と知名度があるにもかかわらず、オジーがファッション的にも強いこだわりを持っていたことはあまり語られることがない。本稿では、LIVE IN RUGGEDでもおなじみのブランドである〈CHROME HEARTS(クロムハーツ)〉を身に着けるオジー・オズボーンの写真をいくつかセレクトしてお届けする。
アメリカ・ロサンゼルスを拠点に1988年からレザーウェアやシルバージュエリーなどを作り、やがて生活全般をカバーするトータルライフスタイルブランドへと成長した〈クロムハーツ〉。ヘヴィーメタルの象徴であり、ロックスターの中のロックスターであったオジーが〈クロムハーツ〉を身に着けていたことは、ごく自然な流れだったと言っていいだろう。〈クロムハーツ〉が得意とする中世ヨーロッパ的なクロスなどのモチーフは、まるでオジー・オズボーンが身に着けるために作られたかのようにしっくりと馴染む。そして、造形的な観点だけではなく、根本に流れるアティチュード(精神性)が共鳴したことも大きな理由ではないだろうか。












ゴージャスな22kイエローゴールドアイテムや特注のレザーウェアなどを愛用
オジーが生前長く愛用していたのは、22kイエローゴールド製のクラシックオーバルベルト。〈クロムハーツ〉の定番モデルのひとつだが、素材がスターリングシルバーではなくイエローゴールドになると、まるで別物のようなオーラを放つ。そして、同じく22kイエローゴールド製のラージCHクロスペンダントも着用して登場する場面が多かった。このクラシックオーバルベルトとラージCHクロスペンダントはかなりお気に入りだったようで、ステージやオフィシャルの宣伝用写真など複数の媒体で身に着けている姿を確認できる。
また、亡くなる直前である2025年7月5日に開催されたブラック・サバスのラストコンサートでは、トップス・ボトムスともにたくさんのクロスパッチが縫い付けられた〈クロムハーツ〉の特製レザーウェアを着用。さらにステッキも〈クロムハーツ〉製で、黒檀にクロスの彫刻を施した特別仕様を携えて往年の名曲を熱唱した。自身のキャリアの最後を飾るコンサートで全身を飾るほど身に着けていたのだから、オジーにとって〈クロムハーツ〉は特別な存在だったのだろう。
類まれな作曲能力とユニークな歌声でカリスマ的な存在感を放っていたオジー・オズボーンが、すでにこの世にいないことはいまだに信じられない。しかし、在りし日の姿を眺めていると、佇まい自体が唯一無二だったことを改めて強く感じることができる。〈クロムハーツ〉が本質的に持っている反骨精神や独創的なクリエイティビティは、オジーが持つそれとごく自然にリンクしたのだろう。ファッション的に身に着けていたのではなく、恐らくこれらの愛用品は彼そのものだったのではないだろうか。