Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter

モード系ライダースの原点にして頂点 – Maison Margiela のハの字ライダースジャケットの魅力

〈Maison Margiela〉が25年以上、毎シーズンリリースし続けている不朽の名作『5-ZIP LEATHER JACKET』とは?


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Maison Margiela

マスターピース

肌寒さが強くなるこれからの季節に恋しくなるのがレザーウェア。特に、男女問わずライダースジャケットはバイカーじゃなくても、ロック好きじゃなくても、ワードローブに一着は置きたいアイテムなのでは。とはいえ、あらゆるファッションブランドが制作するだけに、ライダースジャケット選びには悩ましさを感じることもあるはず。本稿では〈Maison Margiela(メゾン マルジェラ)〉の永久不滅のスタンダードモデルである『5-ZIP LEATHER JACKET』をフィーチャー。誕生から25年以上が経過してもまったく色褪せない名品の魅力を探る。
『5-ZIP LEATHER JACKET』は、ファンの間で「ハの字ライダース」と呼ばれるレザージャケット。1999年秋冬シーズンの初登場以降、毎シーズンリリースされ続けているロングセラーモデルで、同メゾンの代名詞的存在と言っていいだろう。最大の特徴は、フロントに大胆に配されたハの字形のジップ。イギリス軍のプリズナージャケットがデザインソースではないかと言われているこのジャケット、フロントに配されたファスナーの配置が「ハ」の字に見えることから、日本ではこの愛称で親しまれている。そして、このフロントジップ以外は極めてミニマルなデザインで統一されている点も特徴。「ライダースジャケット=ハードなバイカー」という既成概念を覆すようなミニマルデザインと、モードブランドならではの洗練された造形とシルエット構成で、ファッションにスタイリッシュな感性を求める人々からマスターピースとして圧倒的な支持を集めた。

Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter
Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter
Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter

初期型~“ここのえ期”

「ハの字ライダース」こと『5-ZIP LEATHER JACKET』は、初めて登場した1999年秋冬シーズンですでに完成しているほどデザイン性が高いが、実は年代ごとにディテールなどが異なり、その違いもファンを魅了してやまない。初期のモデルは、短丈のボックスシルエットが多く、現行モデルに比べると武骨で男らしい印象。使われていたレザーは牛革や馬革だった。ファスナーはMRS製で、引手の大きい通称「デカジップ」を使用。脇下にはベンチレーションが施され、内ポケット付近に施されたカレンダータグは上からビニールがかぶせてあるなど、初期特有のディテールがマニア心をくすぐる仕様となっている。ちなみに初期のモデルは滅多に市場に出回らないため、市場価値もほかの年代より高値安定を維持しているようだ。
2000年頃~2010年頃に日本のここのえ株式会社が輸入・販売を手がけていた通称“ここのえ期”は、年代によってしなやかで軽量なシープスキン製のモデルが登場した。初期型に比べて洗練された印象を強めつつ、ライダース本来の重厚感を残した“ここのえ期”は、全体のシルエットはルーズで現代的。初期モデルの雰囲気を引き継ぎつつ、完成度をさらに高めたシーズンと言われている。

Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter
Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter
Maison Margiela 5-ZIP LEATHER JACKET 2026 Autumn Winter

“デザインチーム時代”を経てジョン・ガリアーノの時代に移り、現在も変わらずつくられる不滅の名品

創業者であるマルタン・マルジェラがメゾンを離れてから新しくデザイナーが就任するまでの期間は、ほかのアイテムと同様にデザインチームが『5-ZIP LEATHER JACKET』のデザインも手がけていた。この時代は“デザインチーム時代”と呼ばれることがあり、柔らかくしなやかなレザーを使用したモデルが多数を占めていたようだ。買ったその日から体になじむしなやかな質感とスマートなシルエットで、コアな層以外にも愛用者を増やした時期でもある。
そして、稀代の天才デザイナーであるジョン・ガリアーノがメゾンのデザイナーに就任してからは、〈マルタン・マルジェラ〉時代の無骨さは残しつつ、よりシャープで立体的なパターンへとアップデートされる。使われるレザーも質感豊かというよりは均一的なものが採用されることが多く、ライダースジャケットという本来はワイルドなワードローブにクチュール的な精度とラグジュアリー性がプラスされた。
また、この時期に従来は身頃内側に配置されていたカレンダータグが、首後ろに視覚的に認識できる形で配されたモデルも登場。ロゴやタグを秘匿する匿名性が〈メゾン マルジェラ〉のアイデンティティのひとつであったのに対し、デザインの一部として主張する手法に変更されたことも大きな変更点となる。
このように、年代ごとに異なる素材やデザイン、仕様を持つ『5-ZIP LEATHER JACKET』だが、最新モデルではしなやかなシープスキンを採用。艶やかなブラックレザーを主体に、フロントには変わらずエクスポーズドジップが大胆に配される。細部はアップデートしながら、本質的な部分は変わらない。この安定感もファンを魅了し続ける理由だろう。
〈メゾン マルジェラ〉の『5-ZIP LEATHER JACKET』は、メゾン マルジェラ 公式オンラインストアから。
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