ヴィンテージ・チューダーのススメ – TUDOR オイスターデイト

長らく日本では正規販売されてこなかったチュードルもといチューダー。今年の10月末に突如上陸を果たしたことで、時計好きの間でも大いに話題になっている。新作も素晴らしいが、本日は唯一所有している70年代のオイスターデイトの魅力を紹介しようと思う。


Written / Photo : LIVE IN RUGGED

ロレックスの息吹きが色濃く残る「隠れた巨人」

チュードルという時計メーカーを知ったのがいつだったかはよく覚えていない。初めて知ったのはネットだったか、それともファッション誌だっただろうか。それまでロレックスやオメガくらいしか知らなかった時計音痴の私は、それでも存在を知った時点でチュードルの腕時計が好きになったのはかろうじて覚えている。
好きになった理由はいくつかあるが、他の多くの方と同じように、私も最初は非常にミーハーな点に惹かれたことは否めない。「ロレックスのパーツがふんだんに使われていながら安い」ことだ。
チュードルは1926年2月に誕生。ロレックスの創始者であるハンス・ウィルスドルフが創立した。当時ロレックスは高額で、ハンスが望むほど一般的な知名度や人気が高くなかったという話がある。チュードルがロレックスのディフュージョンブランドとして生を受けたのは、知名度の向上や販売の拡大のためだった。
そのため、一般庶民でも手に入るようコストダウンが図られている。ケースやリューズ、裏蓋などにロレックスのパーツを使いつつ、ムーブメントは汎用パーツを使うことで比較的安価な価格帯を実現したのだ。
それを知った時計音痴だった頃の私はすぐにこう思った—「つまりチュードルはロレックスみたいなもんじゃん」。


「質実剛健」という言葉が浮かぶ端正な顔立ち。クラシカルでありながら古臭さを感じさせないデザインは、毎日着けていても飽きることがない。

落ち着いたブラック文字盤はオンオフ問わずに着用可能。実際、私はデニムだろうがスーツだろうが関係なく身に着けている。

日本人の奥ゆかしさにも通じる絶妙なサイズ感とバランス

チュードル・オイスターデイトを手に入れてから10年近く経つが、確実に手に入れた当初よりも今の方が気に入っている。この腕時計は本当に飽きない。それにも確たる理由がある。
まずはサイズ感だろう。約34mmという小振りなケース径は、現代のほとんどの時計よりも小さい。ただ、個人的には現代の腕時計が大きくなりすぎたのだと思っている。40mm以上は当たり前、モノによっては45mm以上のモデルもあるけど、多くの日本人には大きすぎるだろう。その点このオイスターデイトは手首が細い私の腕でもまったく違和感なく身に着けることができる。
そしてバランス感。ケース径のサイズもだけど、リューズの大きさやベゼルの太さといった大きさの印象をつかさどるそれぞれのパーツが計算し尽くしたバランスで成り立っている。また、文字盤の中にあるロゴやインデックス、モデル名などのフォントサイズといったデザイン面でも当たり前だが破綻が一切ない。トータルで絶妙なバランス感なのだ。過度に主張することがなく、持ち主にそっと寄り添うような控えめな佇まい。スイス製なのに日本人的な美意識に通じるところがある…チュードル・オイスターデイトはそんな時計だ。
現行のチューダーにも良い腕時計はたくさんあるし、信頼性に関しては当然新品の方が良いだろう。日本に正式上陸したばかりというタイミングでもあるので、もし好きだと感じるモデルがあればまっさらの新品を手に入れることを強くおすすめしたい。
ヴィンテージのチュードル、それもオイスターデイトは中古市場でも比較的タマ数があるので、専門店をチェックすれば何かしら良い個体が見つかると思う。実際愛用している身としてはヴィンテージもおすすめ。70年代のオイスターデイトは安くて壊れにくくてヴィンテージ特有の雰囲気も充分味わえるから。

ITEM CREDIT
  • Watch:TUDOR – Oysterdate(70’s vintage)

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