【第5回】最高のバックパックを探せ！- ADER Error

ファッションの系統に関係なく、今や男女問わず多くの人が日々愛用するバックパック。普遍的なアイテムだからこそ選び方に個性が表れるし、日常的に使う機能的なバッグだからこそできる限り良いモノを選びたい。きっと多くの方がそう思っているはず。そんな思いからスタートした短期連載「最高のバックパックを探せ！」では、2020年代の今だからこそ選びたい最高のバックパックをLIVE IN RUGGEDの筆者が独断と偏見でピックアップ。第5回は〈ADER Error（アーダーエラー）〉の近未来と過去が巧みにミックスされたバックパックに注目する。

〈ADER Error〉は2014年に韓国・ソウルで設立されたデザイン集団。ファッション業界はもちろん、建築や金融といった異業種出身の匿名のクルーたちが約30人も集結し、全員がデザインとビジネスに関わる特殊な体制で運営する異色のブランドだ。「身近にあるけど見逃してしまうもの（But near missed things）」のスローガンを掲げ、今の時代にふさわしいユニセックスなウェアを提案。「SSENSE（エッセンス）」や「FARFETCH（ファーフェッチ）」「GR8（グレイト）」といった世界的に有名な一流ショップからセレクトされ、2018年には〈MAISON KITSUNE（メゾン・キツネ）〉とコラボレーションコレクションを展開するなど、その活動範囲と認知度はもはやグローバルレベルにまで成長した。
メンズ・レディース両方で定番として扱われるシャツやジャケット、フーディーといったスタンダードなウェアを多く扱って入るものの、抽象的なグラフィックや意表を突いたスローガン使い、そして鮮やかな原色を大胆に使ったカラーリングはセンス抜群。私たちが日常生活で目にする何気ない普段着に、意外性のあるコンビネーションや斬新な発想で新鮮さをもたらすブランドとして、ファッション感度の高い人々から注目を集めている。

そんな同ブランドはウェア以外のファッションアイテムも積極的に展開している。マフラーやビーニーなども今すぐにコーディネートに取り入れられるけれど、一番注目したいのはバックパック。
まずは、見るからに頑丈そうなブラックカラーのナイロンと各所に使われる鮮やかなブルーカラーのストラップの絶妙なコントラストに目を奪われる。バックパック自体のデザインと形状はオーソドックスなスタイルなのにどこか近未来的な印象を感じるのは、このサイバーチックなブルーカラーのストラップが要因だ。よく見るとステッチも同色のブルーカラーが採用されており、全体を通してブラック×ブルーのカラーウェイで統一されていることが分かる。

バックパック自体が男女問わず誰もが当たり前のように普段使いしており、今やもっとも差別化しにくいアイテムと言えるかもしれない。王道ブランドや定番アイテムには絶対的な安心感とともに時代や流行を超えた「間違いない」良さがあることは事実。でも、定番の良さは知りつつも通の人しか知らない新進ブランドが作る「王道とはちょっと違う」バックパックがあると、毎日の通勤やお出かけがさらに楽しくなるはずだ。ファーストバックパックとしてはもちろん、2個目、3個目をお探しの方にも、〈ADER Error〉は良い選択肢のひとつとなるはず。

短期連載「最高のバックパックを探せ！」のバックナンバーはこちらから。
LIVE IN RUGGED公式ツイッターのフォローもお忘れなく。