2022 Rolex GMT-MASTER 2

【2022年新モデル】Rolex GMT-Master II 初となる緑×黒ベゼル&レフティ仕様の意欲作

〈Rolex〉が2022年最新モデルを発表。本稿から何回かに分けて注目のニューモデルを取り上げ、その詳細に迫る記事を展開する。最初にお届けするのは人気モデル、GMT-Master II。初見で色のかっこよさにうっとりしつつ、何だか違和感も…。あれ?左利き仕様!?


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Rolex

初のレフティー仕様&グリーン×ブラックカラーのセラクロムベゼルインサート

スイス・ジュネーブで開催中の時計見本市「Watches and Wonders Geneva 2022」にて、〈Rolex(ロレックス)〉の最新モデルが発表された。Air-King(エアキング)Deepsea(ディープシー)Yacht-Master(ヨットマスター)などの最新版も大いに気になるところだが、恐らく多くの時計好きからもっとも注目を集めているのがGMT-Master II(GMTマスターII)だろう。
最大の特徴はケースの左側に移動されたリューズと、9時位置の日付表示窓だ。腕時計は左手首に装着される場合が圧倒的に多いので、世の中のほとんどの時計はリューズも日付表示窓も右側に設置しているのだが、このGMTマスターIIは右手首に装着することを前提としたレフティー仕様。〈ロレックス〉はこれまでこういったモデルをほぼ製作したことがないため、歴史的に見ても珍しい仕様と言えるだろう。
この異例とも言える仕様を実現するのは高度な技術を持つ〈ロレックス〉でも困難だったようで、製造後に行われる最終検査における精度テストの工程も変更しなければならなかったという。一体なぜ新モデルのGMTマスターIIをレフティー仕様にしたのかは公式にアナウンスされていないので謎が残るものの、右利き・左利きを問わず右手首に装着する方も一定数いらっしゃるので、そういった方々にとっては待望のモデルと言えるかもしれない。
そしてもうひとつの大きなトピックが、本モデルのために用意されたグリーン×ブラックの2トーンカラーのベゼル。〈ロレックス〉のコーポレートカラーであるグリーンカラーは、これまでSUBMARINER(サブマリーナ)などでラインアップされていた。GMTマスターIIのグリーン×ブラックは非常に新鮮で、これぞ〈ロレックス〉と感じる高貴なオーラが漂っている。このカラーコンビネーションに惹かれる時計ファンはきっと多いのではないだろうか。また、24時間目盛りには先端が三角形でグリーンの24時間針と組み合わせることにより、2つめのタイムゾーンの時刻を読み取ることが可能となった。

2022 Rolex GMT-MASTER 2
2022 Rolex GMT-MASTER 2

2022 Rolex GMT-MASTER 2
2022 Rolex GMT-MASTER 2

パイロットウォッチの先駆モデルとしての機能もアップデート

世界を飛び回るプロフェッショナルのためのナビゲーションツールとして設計されたGMTマスターIIは、ダイバーズウォッチの決定版であるサブマリーナと見た目的に共通する部分がありつつ、時計としてまったく異なる機能を与えられているのはご存じの通り。視認性が高い独自のデザインが与えられた両方向回転ベゼルと24時間目盛り入りのベゼルインサートは、後発のパイロットウォッチに非常に大きな影響を与えてきた。下半分がデイタイム、上半分がナイトタイムを示す2色の様々なカラーコンビネーションは、ヴィンテージあるいは現行モデルを問わずそれぞれにたくさんのファンを抱えるアイコニックなデザインだ。ベゼルカラーが1色のものもあるけれど、多くのGMTマスターIIファンは2色使いのモデルを好んでいる。本モデルのグリーン×ブラックは選択肢としてかなり魅力的。時計好きに対して一目で新作モデルだとアピールできるし、最新の〈ロレックス〉を身に着けているという満足度も高い。
また、先に述べたように本モデルでは先端が三角形の24時間針と24時間目盛り入りセラクロムベゼルインサートと両方向回転ベゼルにより、ローカルタイム(現地時刻)とホームタイム(基準時刻)、またはローカルタイムと別のタイムゾーンの時刻といったように、2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示することが可能。コロナ禍の影響で海外への渡航がいまだに難しい現状があるものの、いずれ自由に飛び回れる時が来たら思う存分楽しみたい機能だ。
ちなみにこのベゼルとベゼルインサートは〈ロレックス〉独自の技術により素材から開発されたものを採用している。特別に開発したセラミックは腐食することがない特性を持っており、耐傷性に優れているだけでなく、鮮やかな色味を再現できるのも特徴。初代GMTマスターIIの劣化・破損しやすいベゼルに対して比較にならないほど堅牢な素材でできているため、気兼ねなくデイリーユースすることができる(もちろん初代モデルの素晴らしさは今でもまったく色褪せないけれど)。目盛りと数字部分にはPVD(物理蒸着)によりプラチナでコーティングされ、高級時計ならではのラグジュアリーさを演出。細部にわたって〈ロレックス〉の高品質さを堪能できる作りになっているのだ。

2022 Rolex GMT-MASTER 2
2022 Rolex GMT-MASTER 2

2022 Rolex GMT-MASTER 2
2022 Rolex GMT-MASTER 2

目に見えない細部に至るまで完全自社開発し、品質と機能をアップデート

搭載されるムーブメントは〈ロレックス〉が完全に自社開発・製造したCal.3285を搭載。2018年に完成した真新しいムーブメントは特許を取得したクロナジー・エスケープメントを採用し、ニッケル・リン合金製のため磁場の影響を受けにくい仕様に。さらに常磁性合金から作られたブルー・パラクロム・ヘアスプリングを備え、あらゆる向きにおいてキャリバーの等時性を確保。振動子には特許を取得した高性能パラフレックス・ショック・アブソーバを搭載することでムーブメント自体の耐衝撃性を高めるなど、ありとあらゆるテクニックを駆使して最先端の心臓部を実現した。
その結果、耐衝撃性の向上だけではなくパワーリザーブの向上も実現。新型GMTマスターIIは約70時間の駆動を達成しているという。
もちろんケースやブレスレットは〈ロレックス〉謹製のオイスター仕様。三重密閉構造の防水システムによって水深100mまでの防水性を担保することで、「空の時計」でありながらちょっとしたダイバーズウォッチ並みの水への強さも備えていることも魅力だ。
誰もが驚いたであろうレフティー仕様と専用のグリーン×ブラックカラーのベゼル、そして時計内部の絶え間ないアップデートにより、また一段上のレベルに昇華した新型GMTマスターIIは、近日中に一般発売が開始される。もちろん争奪戦になるし、そもそも毎日店舗に並んだとしてもショーケースに陳列される可能性すら低いかもしれないが、多くの〈ロレックス〉ファンが「買えるなら今すぐ欲しい!」と思える魅力を数多く持っている。
新型GMTマスターIIの価格は1,224,300円。気になる方は〈ロレックス〉直営店に足を運んでみてはいかがだろうか。
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