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【インタビュー】40代のファッションについて – @mazik_mine

若いようでそう若くもない微妙なお年頃?40代のファッションやライフスタイルについて、〈Rolex〉や〈Hermès〉をはじめとした上質なファッションを日常的に愛用されている @mazik_mine さんにインタビュー。40代のファッションについて率直な思いを語っていただいた。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : @mazik_mine

インターネットもなく、足で情報を稼いでいた時代

エネルギーに満ち溢れていた10~20代。社会に揉まれ、仕事のスキルアップを図ると共に責任感も徐々に増す30代。そしてまだまだ働き盛りながら、自分が思う以上に加齢を意識せざるを得ない40代。今年無事に?40台に突入した筆者にとって、これからの生き方や日々の生活、大好きなファッションとの向き合い方に少なからず変化を感じる。40代ってこんなもんかと思うこともあれば、逆に身が引き締まるような思いをすることもある。40代は想像以上に複雑なのだ!
一般的には立派なおじさん(またはおばさん)と認識される40代、これからもできるだけ楽しく過ごしていくためにはどうしたらいいだろう?きっとアラフォー世代の人であれば誰しも一度は似たようなことを考えたことがあるのではないだろうか。そこで、本日は一足早く40代を満喫されていて、これまで計3回も快くインタビューに応えてくださった @mazik_mine さんにインタビュー。90年代裏原宿ファッションやヴィンテージ・ロレックスなどなど、同世代だからこそ強く共感できるファッションやライフスタイルに関して様々なことに答えていただいた。
――― まずはベタな質問です(笑)最初に洋服が好きになったきっかけは何でしたか?
小学生の時、レンタルビデオで観た「E.T」や「グーニーズ」、「BACK TO THE FUTURE」などの80年代のハリウッド映画でした。
映画の中のアメカジは、大人びて、きらきらしていて、自由を感じさせてくれました。 子ども心にこんな服装してたら、ローラースケートを履いたブロンドヘアの女の子と出逢えるかもって思ってましたね。
――― 懐かしいですね!私もビデオテープが擦り切れるくらい何度も観ていました。「BACK TO THE FUTURE」のマーティのお母さんがやけに可愛く見えたり(笑)
ファッションに関して言うと、私たちが10代だった頃はちょうど裏原宿系ブランドが盛り上がっていたり、ヴィンテージデニムや〈RED WING(レッドウィング)〉、〈G-SHOCK(Gショック)〉などヒットアイテムが数えきれないほどありました。今振り返っても熱狂的な時代だったと思いますが、 当時の思い出を教えていただけますか?
あの時代はバブルが崩壊したのにも関わらず、その余韻や消費しないと気が済まないという後遺症のようなものを遺した先輩方がたくさんいました。高校を中退した直後はそんな先輩方に囲まれて、仕事から遊びまでいろいろと身銭を削って教えてもらいました。

インターネットもありませんから、とにかく足で情報を稼いで、裏原系ショップ店員の機嫌を取ることで情報を得ていましたね。
そんな時代、〈Hermès(エルメス)〉のブティックへ行った時にオレンジのダッフルコートがあったのですが、当時から顧客向けの商品だったようで、商品はあるのに売ってもらえないことを経験したことも当時の良い思い出です。

Hermès duffle coat
〈エルメス〉のコーポレートカラーが鮮やかなダッフルコート。藤原ヒロシ氏が90年代のファッション誌で紹介していた逸品で、 @mazik_mine さんは当時から憧れていたという。
Hermès duffle coat
前オーナーが約20年前にニューヨークの〈エルメス〉のブティックで購入し、それ以来大切にされてきたものが @mazik_mine さんの手元へ。本当に良いモノは人から人へと受け継がれていく。

CASIO G-SHOCK Stussy
〈G-SHOCK〉と〈Stussy〉のコラボレーションモデル。シルバーカラーの文字盤がクール。
Nike x fragment design Air Jordan 1
藤原ヒロシ氏のブランド〈fragment design(フラグメントデザイン)〉と〈Nike(ナイキ)〉の組み合わせは、90年代ストリートを通過した世代にとってはまさにドンズバだ。

自分のこだわりやドラマを大切に選びながら、少しずつエイジングを楽しむ

――― 10~20代、30代ではファッションの好みや価値観にどのような変化がありましたか?
10代~20代前半は、他人から見られてどのような印象を与えているのかということが一番でした。雑誌や芸能人、テレビに映るかっこいい洋服であれば、ブランドフィロソフィーもデザイナーのこだわりもどうでもよかったです。そして、稀少価値があり身に着けるだけでマウントを取れるような服ばかりを選んでいたように思います。
20代後半~30代へとシフトする頃には、外見や第一印象のオシャレではなく、コミュニケーションをしていくうちに小物やアクセサリーに自分なりのこだわりやドラマを持つことで、話題や価値観の共有を感じるようになりました。しかし、僕の周辺環境がそうだっただけで、同い年でもレア物や希少価値だけを求めて装いを決めている人もいるので、それぞれの価値観があるのではないかと考えています。
――― おっしゃる通り、人によって様々な価値観があって、どれが正解かというわけでもないですよね。ただ、 @mazik_mine さんに今回お話を伺っていると、若い頃に夢中になったことと、年齢を重ねて磨いてきた価値観がミックスされることでかっこいい40代になっているように感じます。40代以降はそのバランス感覚がさらに大切になるような気がするのですが、モノ選びの際に気を付けていることなどはありますか?
モノを買う時は今までの好きなスタイルの傾向や手持ちのアイテムとの相性を考えていますが、最近は長く使い続けるとどのようなエイジングをするのかということを強く考えています。
新しいモノって自宅へ持ち帰っても、最初はよそよそしくて、少しぎこちなく、身につけても違和感や緊張感みたいなものが伝わってきます。自分の体型や体温により少しずつ暖まられ、変化していった時にストンと自分の価値観や腑に落ちるようなアイテムになってくれると、買って良かったと思えますね。
そして、既婚者や子育て世代の方はご理解いただけると思いますが、買おうと決めたときの「勢い」は一番必要なことかもしれません(笑)。とにかく、買うと決めたら子どもや奥さんの顔を思い出すことなく買いに行くことですね!

Hermès Chaine d'Ancle
ご存じ〈エルメス〉の永久定番アイテム、シェーヌダンクルも長く愛用中。
Hermès Belt and Resolute Jeans
見えない部分もオシャレを楽しむのが @mazik_mine さんのこだわり。ベルトは〈エルメス〉をチョイス。

Hermès and goro's ring
〈エルメス〉と〈ゴローズ〉のリング。これらも時代を超えてずっと愛せる永遠のスタンダードアイテムだ。
Hermès Pendant and Leonard Kamhout bell pendant
可愛らしい馬のデザインなのに実はホワイトゴールド製という〈エルメス〉のペンダントと、〈レナード・カムホート〉のベルペンダント。

憧れているけどまだ手に入れていないモノが渋い!

――― 「買うと決めたら子どもや奥さんの顔を思い出すことなく買いに行く」…時にはわき目も降らないことも大切ですよね(笑)ちなみに、実はずっと憧れているけどまだ手に入れていないモノはありますか?
きっと考えるだけで山のようにあると思いますが…すぐに浮かんできたのは〈Leica(ライカ)〉のMシリーズでモノクローム仕様のフィルムタイプでしょうか。頑張ったら買えるのかもしれませんが、持っているだけでは役立つものではありません。構図やピントの調整、光の具合などの経験と技術、美的感覚が必要となるので、まだまだ今の自分では使いこなすことは難しそうですが、いつかは家族の制止を振り切って買ってみたい逸品です。
――― 個人的に〈ロレックス〉はいつか手に入れたいと憧れています。 @mazik_mine さんはヴィンテージの〈ロレックス〉をいくつも所有されていますが、その魅力を改めて教えていただけますか。
人それぞれに考え方はあるのでしょうが、〈ロレックス〉は歴史やドラマを感じさせてくれる実用的腕時計だと思っています。宝飾品とは違う、使い続けることで表れてくる佇まいや鈍い輝きは、持っている人が大切に使い続けて感じることのできる特徴だと思います。自分の生まれ年や妻の生まれ年、両親が生まれた時代の腕時計を身に付けられるなんて、思い入れをもって欲しいと言っているようなものですよね。

Rolex and Tiffany & Co.
ヴィンテージの〈ロレックス〉と〈ティファニー〉のシルバージュエリー。どちらもシンプルかつミニマルなデザインで、ブランドは違えど共通する世界観がある。
Rolex GMT-Master and Resolute Jeans
空のツールウォッチのベンチマークである〈ロレックス〉GMTマスター。ベゼルのカラーウェイが豊富に揃っているGMTマスターの中でも、 @mazik_mine さんは通好みのブラックを愛用されている。

Rolex Explorer II
清潔感すら感じる〈ロレックス〉エクスプローラーII。@mazik_mine さんは一生物を「一生忘れることのできないエピソードを甦らせるモノ」という意味で解釈されているとか。値段や市場価値で良い悪いを決めるのではなく、自分の思い入れで物差しを図る大切さを教えてくれる考え方だ。
Rolex Submariner
スポーツウォッチの金字塔、〈ロレックス〉サブマリーナも長年の相棒。季節に応じてブレスレットをレザーベルトやナイロンストラップに交換するのもささやかな楽しみのひとつ。

40代以降はアクセサリーは「さり気なく」

――― 〈エルメス〉や〈goro’s(ゴローズ)〉、〈Tiffany & co(ティファニー)〉などのジュエリーも大人がさり気なく身に着けているとかっこいいアイテムの代表格です。大切にされている愛用品について語っていただけますか。
アクセサリーは、あくまでも「さり気なく」を大切にしています。若い頃はこれ見よがしにじゃらじゃら着けたりしていましたが、そんな頃の写真を見るとアクセサリーだらけで、どこにオシャレの焦点を絞っているのか分からなくて…。当時の自分自身は統一感を持って着けていたと思うのですが、ある程度の年齢になると、それは違うなと感じるようになりました。

それからは、アクセサリーは手の周囲のみ、首回りのみなどポイントを絞って身に着けています。〈エルメス〉や〈ゴローズ〉、〈ティファニー〉はひとつひとつのアイテムに強い存在感があるので、多くを語らず、多くを身に着けないようにしています。実は〈ゴローズ〉のネックレスはTシャツの中へ入れることが多いんですよ。これは着けてるぞと見せびらかす訳ではなく、着けているから自分のモチベーションも安心という内面的に満足することを大切にしているからなんです。

goro's coin case and Visvim denim jacket
今では極端に手に入れにくい〈ゴローズ〉も昔から愛用。コインケースはレザーの経年変化が最高に仕上がっている。
goro's silver jewelry
ネックレスやバングルなどの〈ゴローズ〉。荒々しさと繊細さが共存するシルバーとゴールドが織りなす世界は、40代になってもまったく違和感なく着用できる。

Rolex GMT-Master and Resolute Jeans
〈ゴローズ〉と〈レナード・カムホート〉は90年代のシルバーブームを体験した人間にとって憧れのブランド。系統はまったく違うのに不思議なほど相性が良い。
Rolex GMT-Master and Resolute Jeans
「たくさんではなく、金額ではなく、本当に必要なモノとして自分の近くに置いておきたい」と話す〈エルメス〉のジュエリー。40歳を過ぎた男性が身に着けても嫌味にならず、さり気なく色気を漂わせる。

若さを保つ秘訣は?

――― インタビューも終盤ですが、ここで40代ならではの生々しい質問を(笑)。体力の衰えや健康面の不安など、若かった頃には考える必要がなかったことが気になり始める年代ですが、エイジングケアはされていますか?若さを保つための努力などをされていたら併せて教えてください。
特別なエイジングケアはしていません。歳を重ねることは避けられない事実ですし、現実です。しかし、職業柄あまり体型が変わってもいけませんし、姿勢が悪いことも御法度なので、適度なジョギングやトレーニングは週に三回程度、朝早くにしています。
――― さすがですね!私はやろうと思うことがあるのですが、腰が重くて…。続ける秘訣はありますか?
そうですね、子育てや仕事の支障がない程度に続けるのがポイントだと思いますよ。私の場合は週3回、合計で20分程度の低負荷の運動でも筋力や体力、代謝の改善には効果があるので、合間を見て行っています。何より、家事や子育てをコツコツ毎日していると規則正しい生活リズムが身に付きますし、周囲からの必要性も感じてもらえます。社会参加を通じて責任ある行動と態度に気をつけることも、周りから若く見られる一番の秘訣かもしれませんね。周りから期待されてるって自己暗示すると自然と姿勢や見た目にも気を遣うと思います。

Tudor Blackbay
デニムやレザーとの相性が抜群の〈TUDOR(チューダー)〉は、現在はレアなロゴが薔薇の時代のモノ。
Rolex Submariner and GMT-Master
異常なほど相場が高騰してしまった〈ロレックス〉も、必要以上に気を遣うのではなく自然体で付き合う。ツールウォッチであるという事実があるからこそ、変に過保護にしないこともモノとの付き合い方。

年齢を重ねるほどに人ともモノとも自然体で向き合う姿勢の大切さ

――― 本当におっしゃる通りですね。自分より若い方が周囲に増えて、もちろん年配の方もたくさんいらっしゃる…変な話、間に挟まれているのが40代という世代なのかもしれません。そう考えると、社会参加を通じて自分の行動や態度を自ら規律することはとても大切だと思いました。
最後に、40代に達成したいこと、頑張りたいこと、大切にしたいことなどがあれば教えてください。
とにかく、歳を重ねていくほど、怒ることなくおおらかに過ごしたいです。
実際は毎日3人の子供たちに怒ってばかりなので、寛容な気持ちと器の大きさを持てるよう過ごしたいと思っています。そして、ファッションだけでなく、次の世代の人たちが憧れたり、楽しんでくれるような価値観や文化的な側面のある情報を発信していきたいですね。
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人生100年時代と言われる現代では、40代はまだまだ若いのかもしれない。しかし、現実的にはフィジカル・メンタル両面で老いを感じ始める年齢なのは間違いないところ。体力面の衰え具合は日々の生活習慣などにも大いに左右されるけれど、せめて気持ちくらいは若々しくいたい…と思いつつ、若い頃には感じたことのなかった生々しい「老い」が忍び寄ってくると、不安を感じることもあるだろう。
@mazik_mine さんは何かを手に入れる時も、手に入れてからの付き合い方もとても自然体だ。変に背伸びをせず、見せびらかすような身に着け方もしない。あくまでも自分の価値観に照らし合わせて必要だと思うモノ、大切なモノをゆっくりと育んでいく。インスタグラムをご覧いただければ分かるように人との付き合い方もフラットで、静かな優しさや思いやりが感じられる。どれだけHYPEなモノをゲットできるか、それをどう他人にアピールするかが重視されがちな今の時代において、モノへの深い愛情と知識が散りばめられる @mazik_mine さんの日々のポストには、安っぽいトレンドや無意識のマウントとはまったくかけ離れたポジティブな喜びと思慮深さが詰まっている。
@mazik_mine さんのインスタグラムはアラフォーならずとも必見。
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