What is your memorable comic?

【結果発表】LIVE IN RUGGEDフォロワーさんが選ぶ「心に残る漫画」

時代を超えて愛される「ベスト・オブ・ベスト」の漫画が多数登場。


Written : LIVE IN RUGGED

あなたの心に残る漫画は?

漫画が子供のためのものと思う人は今の時代ではほとんどいないだろう。映画と同じく、子供向けに描かれた漫画であっても大人の琴線に触れることは多々あるし、ティーンエイジャーの頃に夢中になった漫画は誰にとっても忘れがたい。ハードに働いた平日、寝る前にお気に入りの漫画を読むのが最高の楽しみ…という方も多くいらっしゃるのではないだろうか。
先日 LIVE IN RUGGED インスタグラムのStories(ストーリーズ)機能にて「あなたの心に残る漫画は?」というアンケートを行ったところ、たくさんのご回答をいただいた。本稿ではその全回答をピックアップし、LIVE IN RUGGEDフォロワーの皆様の心に残る漫画を紹介させていただく。

HUNTER×HUNTER / あいつとララバイ / 大正野郎 / じゃりン子チエ

まずは1998年から「週刊少年ジャンプ」にて掲載されており、「ONE PIECE(ワンピース)」に続く長期連載作品である「HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)」。主人公の少年、ゴン=フリークスがまだ見ぬ父親のジンと会うため、父の職業であったハンター(怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣など、稀少な事物を追求することに生涯をかける人々の総称)となり、仲間達との絆を深めながら成長する様を描いた冒険活劇である「ハンター×ハンター」は、少年漫画としては異例なほど過激な描写が多く、世界観の作りこみが緻密であることでも知られている。一般的に難解すぎる内容は受け入れられなくなることが多い中でこの作品がこれほど長い連載を続けていることは、メインターゲットである子供はもちろん、大人世代にもファンが多いことを表していると言えるだろう。
1981年から1989年まで「週刊少年マガジン」にて連載されていた「あいつとララバイ」は、楠みちはるによる青春漫画。横浜を舞台に、高校生菱木研二とヒロインの佐藤友美を中心とした高校生活や不良少年達の抗争、ストリートでのバイクレースが繰り広げられるストーリーは、連載当時の社会背景を多く盛り込んだ内容だ。主人公の愛車である〈KAWASAKI(カワサキ)〉750RSの雄姿に心を躍らせた人も多いはず。「ZII」の愛称で知られる750RSは、後に不良少年たちがもっとも憧れる国産バイクとなる。
「モーニング」や「モーニングオープン増刊号」などに掲載されていた「大正野郎」は、山田芳裕の商業誌デビュー作品。大正浪漫と芥川龍之介をこよなく愛する大学生、平を主人公に、下宿人の佐山や下宿屋のおじさん、おばさん、その娘の由貴や大学の同級生との関わりを独特のタッチで描く。特に主人公は服装や言葉遣いにもレトロなスタイルが貫かれており、ペラペラとページをめくるだけでタイムスリップしたような気分になる漫画だ。
1978年10月12日号から1997年8月19日号まで「漫画アクション」にて長期連載されていた「じゃりン子チエ」は、アラフォー世代以上の方は思わず「懐かしい!」と心の中で叫んでしまうはず。大阪市頓馬区西萩(架空の地名)を舞台に、仕事をしない父・テツに代わり、自分でホルモン焼き屋を切り盛りする元気な女の子・チエと彼女を取り巻く個性豊かな人々の生活を描いた「じゃりン子チエ」は、登場人物のリアルな会話や可愛らしくもコミカルな絵柄、主人公チエのたくましい姿が魅力。2020年6月時点で累計発行部数が3,000万部を突破している国民的な漫画のひとつだ。1981年4月には高畑勲監督によりアニメ映画化され、その後もテレビアニメ化されるなど非常に高い人気を持っている。下町文化や人情の強い物語展開を時にコミカルに、時にノスタルジックに描いた「じゃりン子チエ」は、日本がかつて持っていた文化を後世に残す作品としても傑作と言えるだろう。

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キングダム / シュート! / NARUTO -ナルト- / 超・学校法人スタア學園

「週刊ヤングジャンプ」にて2006年9月から連載されている「キングダム」は、今もっともファンが多い漫画のひとつ。2022年6月時点で累計発行部数は9,000万部を突破しており、2018年4月に実写映画化。今年は続編が間もなく公開される。さらに、2020年12月に発売された60巻をもってシリーズ初の初版100万部を達成するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを持つ稀有な作品だ。
紀元前3世紀、500年もの争いが続く古代中国の春秋戦国時代末期を舞台に戦国七雄の戦争を描く同作品は、中国史上初めて天下統一を果たした始皇帝とそれを支えた武将李信が主人公。1巻から40巻までは国内統一編、41巻からは六国征覇編が描かれており、一大スペクタクルと言うべき壮大なストーリー展開と緻密な作画によって膨大なファンを生み出した。第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞するなど、一般層だけではなくプロの評価も非常に高い。歴史漫画はこれまでも数多く存在していたが、緊迫感のあるストーリー展開と躍動感にあふれる作画は一度読むとやめられない中毒性がある。
「週刊少年マガジン」にて1990年36号より2003年24号まで約13年間にわたって連載されたサッカー漫画の金字塔「シュート!」は、少年漫画の王道を行く良作だ。掛川高校に入学した田仲俊彦(トシ)を主人公に、多くの少年が夢中になるサッカーというスポーツを通じて奇跡を起こすストーリーは、今読んでも瑞々しい。1994年に第18回講談社漫画賞少年部門を受賞。2019年2月時点で全4部作の累計発行部数は5,000万部を突破している。
岸本斉史による「NARUTO -ナルト-」は「週刊少年ジャンプ」にて1999年43号から2014年50号まで連載された国民的漫画。忍同士が超常的な能力「忍術」「体術」「幻術」「仙術」を駆使して派手な戦いを繰り広げるバトルアクションが売りで、アジア各地の民話や伝承、宗教へのオマージュを巧みに取り組んだ世界観の作りこみも魅力だ。主人公と仲間達の友情や家族愛といった人間模様が明るく描かれるシーンは少年漫画らしいが、同時に描かれる裏切りや復讐模様は青年漫画のような重厚さがあり、忍の世界と絡めたストーリー展開は大人が読んでも決して飽きさせない。
「ONE PIECE」と並ぶ「週刊少年ジャンプ」の2大看板に成長し、単行本の国内累計発行部数は2019年5月時点で1億5,300万部、全世界累計発行部数は2億5,000万部を突破。名実ともに世界的に愛される漫画のひとつとして、連載が終了した今も圧倒的な人気を誇っている。
「超・学校法人スタア學園」はすぎむら しんいちによるギャグ・コメディ漫画。映画好きのいじめられっ子・コキジがひょんなことからスター養成学校であるスタア學園に入学し、奮闘していく様を描いた下ネタ青春ギャグ漫画で、一般的な知名度は高くはないもののコアなファンを抱えている。一見するとやる気があるのかないのか分からない脱力系の絵柄に見えるものの、ちょっとクセのある笑いのタッチは中毒性高し。そして、見るからに冴えないいじめられっ子が自分よりもはるかに大きな体を持ついじめっ子に身体ごとぶつかっていく様子は胸が熱くなる。

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私立極道高校 / BASARA / るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- / サイコメトラーEIJI

数々の不良漫画を生み出した巨匠、宮下あきらによる「私立極道高校(しりつきわめみちこうこう)」も隠れ名作としてコアなファンが多い作品だ。「週刊少年ジャンプ」にて1979年17号に特別読切として掲載され、同年21号から1980年11号まで連載された同作品は、宮下作品らしい力強いタッチと豪快なストーリー展開が魅力。「極道」と書いて「きわめみち」と読むあたりが昭和の漫画らしい。全体の雰囲気や登場人物もこの時代ならではで、今の時代には決して生まれない作風だ。アシスタントが実在の高校名を作品に登場させ、講義があったことで連載が打ち切りになるという不本意な終わり方をしたのが残念だが、宮下作品のファンは必見の作品だ。
本アンケートで唯一挙がった少女漫画「BASARA」は、和歌山県文化表彰・文化功労賞を受賞した田村 由美により「別冊少女コミック」に1990年9月から1998年6月まで連載されていた。文明崩壊後の日本を舞台に架空戦記を描くファンタジー漫画という作風は、ラブストーリーや青春ものを多く掲載していた少女漫画業界において異色の中の異色だった。とはいえ、壮大なストーリーを展開させながら少女漫画らしい美しい絵とラブストーリーを絡めて発展させており、絵柄さえ受け入れられれば男性が読んでも楽しめる可能性あり。気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。
「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」は漫画自体の大ヒットはもちろん、アニメ化や実写映画化でも大成功を収めた稀有な作品だ。「週刊少年ジャンプ」にて連載された期間は1994年から1999年と短いものの、それ以降も超が付く人気を保っている。
明治時代初期の日本を舞台に、新選組や大久保利通暗殺事件などの実際に合った史実をオリジナルストーリーと絡ませながら展開させ、「少年漫画で明治時代は難しすぎる、受けない」という前評判を完全に覆した。幕末に「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客、緋村剣心を主人公に描く激動の時代背景と美しくも激しい戦闘場面は必見。
「週刊少年マガジン」にて1996年から2000年まで連載され、1997年と1999年にテレビドラマ化もされた「サイコメトラーEIJI」も、アラフォー世代にとっては懐かしいはず。物や人に触れるとそれに残った過去の記憶の断片を読み取るというサイコメトリー能力。欧米を中心に「実際に存在するのか、ただの都市伝説なのか」がいまだに論争になるこの能力を主軸に置いたミステリー漫画でありながら、時に少年漫画らしいコミカルな描写や不良漫画のテイストも交えて描かれる「サイコメトラーEIJI」は、ミステリーものの小説を漫画にしたような面白さがあった。警視庁の女性刑事・志摩亮子のちょっとセクシーで大人っぽい魅力に密かにヤラれていたファンも多いはず。

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ONE PIECE / 魁!!男塾 / 新世紀エヴァンゲリオン / 寄生獣

言わずと知れた日本漫画の金字塔「ONE PIECE」が本アンケートで挙がるのは当然の結果だろう。「週刊少年ジャンプ」を代表する同作品は2021年7月時点で国内累計発行部数が4億部を突破。「ドラゴンボール」「SLAM DUNK」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」を抜いて名実ともに「日本一売れている漫画」となっている。2015年には「もっとも多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されるなど、その勢いはもはや天文学的と言っていいだろう。
海賊王を夢見る少年、モンキー・D・ルフィを主人公とする「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を巡る海洋冒険ロマンがコンセプトの「ONE PIECE」は、これぞ少年漫画!と言いたくなる設定やストーリー展開でありながら、大人世代をも完全に巻き込んで愛されている点がとにかく凄い。夢や冒険、仲間への友情を前面に押し出し、誰も予想できない壮大な世界観を構築。絵柄の親しみやすさも人気の秘訣だけれど、随所に涙が自然に出てしまうほど感動させられる展開があるところもこの漫画の驚異的に凄いポイントだ。2022年時点で100巻を超えるコミックスが発行されているため、最初から読破するにはかなりの時間が掛かってしまいそうだが、一度読み始めると止まらないこと必至。読んだことがない方はガチでハマることを覚悟に「ONE PIECE」ワールドに足を踏み入れるべし。
「魁!!男塾」は「私立極道高校」と同じく宮下あきらが手掛ける少年漫画。1985年から1991年というバブル期に「週刊少年ジャンプ」にて連載され、累計発行部数は2700万部を突破している。
本作で言う「男塾」とは、行き場のなくなった不良少年たちを全国から集め、過激なスパルタ教育を施す場であり、そこに籍を置く(やっかいな)塾生たちの友情や不良少年同士の死闘を描く物語のこと。連載開始当初はギャグ漫画の傾向が強かったものの、途中からシリアス路線に変更。バトル中心の不良漫画の金字塔として当時の少年たちのバイブル的存在になり、全34巻という長さを誇る人気漫画となった。
ただ喧嘩するばかりではなく、登場キャラクターそれぞれが中国拳法をはじめとした様々な武術の達人として活躍し、豊富な見せ場を与えられていたことも同作の人気の秘訣。ストーリーが展開するごとに戦いの場も変わっていく様子もワクワクさせられる。
コアなファンを長く抱えているという点で、他のどの漫画とも一線を画す作品が「新世紀エヴァンゲリオン」だろう。1995年から「月刊少年エース」にて連載が開始された同作は、全体に漂う世紀末的な絶望感と悲壮感、思春期の少年・少女たちの琴線に触れるキャラクター設定および描写、そしてストーリー展開でカリスマ的な人気が爆発。アニメ版の完成度の高さと相まって、当時他のどんな漫画・アニメよりも熱狂的な支持を集めた作品だ。ちょうど筆者が高校生だった頃に大ヒットしていた作品だったので、男女問わず同級生たちが夢中になっていたことをよく覚えている。筆者自身は中二病全開(と勝手に感じていた)の雰囲気が苦手で一度も読んだことがないのだが、これほど多くの人がファンになるのだから相当面白いのだろう。果たして私が「新世紀エヴァンゲリオン」を体験する日はやってくるのだろうか。
岩明均が生み出したSF/ホラー漫画の大傑作「寄生獣」も複数の人から心に残る漫画として挙がった。1980年代後半から90年代中期まで「月刊アフタヌーン」をメインに連載されていた同作品は、人間が食い殺されたり残虐に殺害される過激な描写が先行して話題になりがちだが、「当たり前のように世界に君臨している人間とは何なのか?」「正義とは何か?」などの哲学的なテーマが根底に流れており、劇的なストーリー展開と相まって熱狂的なファンを獲得。未知の生物に寄生されるまではごく平凡な高校生であった主人公の泉新一に起きる事件とそれがもたらす変化、喪失。泉新一に寄生した「ミギー」との不思議な交流と絆、宿敵との壮絶なバトルなど、全巻を通して見どころが満載。SFやホラーに抵抗のある方にこそ読んでいただきたい超傑作である。ちなみに大人になってから読んだ筆者にとってもバイブル的存在で、これまで5回ほど通しで読み返している。この記事を書いているとまた読みたくなってきた…。

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疾風伝説 特攻の拓 / DRAGON QUEST -ダイの大冒険- / 闇金ウシジマくん / capeta

昭和~平成を過ごした男にとってヤンキー漫画はまさに青春の一ページ。かつて暴走族が社会現象になった日本には数々の名作ヤンキー漫画があるが、その中でも「疾風伝説 特攻の拓」は際立ってファンが多い。
ひ弱ないじめられっ子の主人公があり得ないほど凶暴な環境に置かれ、危険な目にあいながらやがて自分も周囲も変えていく…という超王道のストーリー展開が繰り広げられるにもかかわらず、「疾風伝説 特攻の拓」がカルト的な人気を集めたのはなぜだろう?それはきっと、キャラクター設定の妙と清々しいほどスッキリする数々の喧嘩シーン、そして昭和の匂いがプンプン漂うヤンキー臭を具現化するのが超が付くほど上手だったからではないだろうか。
「朧童幽霊(ロードスペクター)」や「獏羅天(ばくらてん)」、「九尾の猫(キャッツ)」、「蠅王(ヴェルゼブブ)」といった当て字満載の暴走族のチーム名は「よく考えるな~」と感心させられるし、「あんまチョーシくれてっとひき肉にしちまうよ!」「てめー”くしゃくしゃ”に潰してやっからなァ!!」「事故る奴は…不運(ハードラック)と踊っちまったんだよ…」などの独特のせりふ回しの強烈なインパクト、そして人間とは思えない超人的な強さを持つ見た目も直球のヤンキーたちのキャラの濃さも同作の見どころ。令和の今の時代では決してあり得ない時代設定だが、むしろ今の時代に読む方が面白さを感じるかもしれない。
堀井雄二(監修)、三条陸(原作)、稲田浩司(作画)という偉大な3名の手で生み出された「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」は、連載が終了してから26年が経過した今も続編が望まれている。
スクウェア・エニックスが誇る人気RPG「ドラゴンクエストシリーズ」の世界観をもとにしたスピンオフ的な短期連載漫画として誕生した同作は、読者からの強い人気に押されて連載化が決定。「ドラクエ」に登場するモンスターや魔法が多数登場しながら、敵キャラクターやストーリー展開はオリジナルという手法で爆発的な人気を集めた。
主人公であるダイの勇者らしい活躍と竜の血を引いたことで起こる数々の葛藤や挫折、盟友ポップの人間的な成長、時に絶望的なほど強大な敵キャラクターの登場など、RPGゲームを実際にプレイしているかのような巧みなストーリー展開は今読んでも涙腺が緩んでしまう。「ドラクエ」シリーズとの関連性が強いことから子供向けの少年漫画と受け止められることが多いが、女性にもぜひおすすめしたい名作である。
反対に、超メジャーな漫画ながら誰にでも勧められるわけではないのが「闇金ウシジマくん」。2004年から2019年まで「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた同作は山田孝之主演の実写映画化でも大きな話題を呼んだが、漫画にこそ真髄があると断言したい。
10日5割(トゴ)という超暴利で融資を行う闇金融「カウカウファイナンス」の経営者である丑嶋馨および従業員の日常と、同店に訪れる客や関係者、敵対する闇金業者や暴力団との人間模様を描いた「闇金ウシジマくん」は、社会の闇を集約したような圧倒的な描写と時に救いようのないストーリー展開、お金の恐ろしさや人間の浅ましさ、反対に人だけが持つ希望や優しさをも描く。「ギャル汚くん」や「フーゾクくん」などの「○○くん」形式の可愛らしいタイトルでありながら、時に凄惨な描写を何の遠慮もなく描く作風は唯一無二。基本的に登場人物全員が何かしらのアウトローもしくは社会の底辺に生きる人々であり、お金にまつわるドロドロした話が展開されるので、必然的に読んでいて暗い気持ちになったり痛々しさすら感じる場面がある。しかし、その生々しさがもたらす中毒性こそが「闇金ウシジマくん」の最大の魅力ではないだろうか。
「capeta」は「月刊少年マガジン」にて2003年3月号より2013年4月号まで連載されたモータースポーツ漫画。レーシングカートに魅了された少年・平勝平太(通称カペタ)とライバルたちの成長、モータースポーツが持つ圧倒的なスピード感と苦難を描き、この手の漫画としては異例と言える大ヒットを記録した。ストーリー的には少年期のレーシングカート時代から青年期始めののF3時代までが描かれており、モータースポーツの最高峰であるF1に実際に挑戦したのかどうかは描かれていないものの、日本ではあまり人気のないモータースポーツを題材にした漫画としては本作に並ぶ作品はないと言っても過言ではない。
読んでいるだけでアドレナリンが出てくるレース模様と感動的なシーンは、大人も子供も楽しめるエンターテインメントとしても超一流。スポーツ漫画がお好きな方も、そうでない方も、一読して決して損はない。

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ドラゴンボール / SLAM DUNK / あずみ / ブラック・ジャック

日本漫画界を代表する鳥山明の代表作である「ドラゴンボール」については説明不要だろう。不思議な7つの球をすべて集めるとどんな願いもひとつだけ叶えられるという秘宝「ドラゴンボール」と、主人公・孫悟空を中心に展開する「冒険」「夢」「バトル」「友情」などを描いた長編漫画である「ドラゴンボール」は、世界でもっとも有名な日本の漫画だ。もちろん本アンケートでも複数の方が「心に残る漫画」として挙げていた。鳥山明にしか作ることのできない唯一無二の作画と誰でも親しめるストーリー展開、少年漫画の教科書と言えるテーマとコンセプトの構築は、まさに不朽の名作と呼ぶにふさわしい。孫悟空が少年だった頃が一番楽しかったと言う人と、大人になってからの方が楽しいと言う人で分かれるところも本作ならでは。個人的にはセル編までが最高に楽しかったのだけれど、あなたはいかがだろうか。
「SLAM DUNK」も時代を超えて愛される名作中の名作だ。井上雄彦による同作は「週刊少年ジャンプ」の代表作であるばかりではなく、スポーツ漫画としても日本を代表する作品。バスケットボールなんて1ミリも興味がなかった不良の桜木花道が一目惚れした赤木晴子の気を引くべく、神奈川県立湘北高校バスケットボール部に入部。ド素人ながら天才的な身体能力と努力により徐々にバスケットボール選手として才能を発揮していく姿は、何かしらスポーツを経験したことのある人であれば胸が熱くなること間違いなし。最終戦となる山王工業高校との試合は全編を通して一大感動巨編として今も語り継がれている。
小山ゆうによるアクション時代劇漫画「あずみ」は漫画でしか描くことのできない世界観が魅力だ。常人を遥かに超える俊敏さと武術の腕を持つ凄腕の美少女刺客あずみの成長と活躍、恐ろしさすら感じる圧倒的な強さ、重要な仲間キャラクターが次々に死んでいく悲しさ、個性豊かで邪悪な敵キャラクターとの戦いなど、まるでジェットコースターに乗っているかのようにテンポよく進んでいく展開も素晴らしい。あり得ないことは分かりつつ、もしかしたらこの時代には本当にこんな刺客が存在していたのでは…と妄想してしまうリアルさも魅力だ。上戸彩主演で実写映画化もされたが、漫画が好きすぎる筆者はそちらはあえて観ていない。この漫画も定期的に最初から読み直したくなる名作だ。
そして、日本漫画界の神である手塚治虫が生み出した「ブラック・ジャック」ほど本稿を締めくくるにふさわしい漫画はないだろう。「週刊少年チャンピオン」にて1973年11月19日号から1978年9月18日号にかけて連載したのち、1979年1月15日号から1983年10月14日号にかけて不定期連載された本作は、漫画自体を変えたと言われるほどの巨匠が苦しんだ「冬の時代」に生まれた。1960年代後半に一気に盛り上がった劇画調の漫画の盛り上がりなどで古い漫画家というレッテルを一方的に貼られた手塚治虫の当時の苦しみや暗い気持ちをそのまま反映したと言われる主人公、ブラック・ジャック(間 黒男)は、無免許ながら他に並ぶ者はいないと言われる神業により世界中にその名を知られる天才外科医。「医療と生命」をテーマにした硬派路線は連載開始当時はほとんど人気が出なかったもののじわじわと人気が高まり、結果的に10年以上にわたって連載が続くヒット作となった。
医療という馴染みのない専門分野を扱いながら子供であっても没頭できるストーリー展開はさすがの一言。ブラック・ジャックやピノコをはじめとした愛すべき登場人物の人間模様と過去に生み出した様々なキャラクターがオールスター的に登場する賑やかさもファンを喜ばせた要因だろう。「医療と生命」というテーマ通り、話によっては死が避けられず、命のはかなさと大切さを漫画という形で深く伝える「ブラック・ジャック」は、ファンにとっては不朽の名作だ。筆者は文庫版で全巻揃えているが、何度となく読み返していることは言うまでもない。

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名作は時代を超えて読み継がれていく

計24作品にわたって簡単に紹介したが、これらの中に心に残る漫画はあっただろうか。今回インスタグラムにて深く考えずにアンケートをしたのだけれど、人の数だけ思い出の漫画があるのだなと少し感慨深い気持ちになった。また、回答者の年齢や性別は様々だったにもかかわらず、挙げられる作品は時代を超えて愛される名作が多かったのも印象深い。やはり名作はいつの時代も読み継がれることを実感した。久しぶりにあれを読みたくなったな~と思った方は、大人買いしてみてはいかが?どうせこれからも何度も読むんだから。
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最新作「トップガン・マーヴェリック」が大ヒット中のトム・クルーズに迫る記事もぜひご覧いただきたい。
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