1973 Rolex Submariner Arabic

ディテールへの病的なこだわり – 1973 ROLEX SUBMARINER ARABIC

アラビア文字なのでまったく読めないのに惹かれてしまう僕ら。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : FARFETCH

「赤サブ」でありながらアラビア文字というマニアックさ

時計を好きになるほど、細かいディテールや謎めいた仕様にどんどん惹かれていく。いつしか人が気にも留めないマニアックな何かを持つ時計でなければ満足できない体に…。この空恐ろしい状態を「時計沼」と呼ぶとすれば、〈ROLEX(ロレックス)〉ほどその対象にふさわしいブランドはないだろう。
〈ロレックス〉のように長い歴史を持つ時計メーカーであれば特別な仕様を持つ個体が存在することは決して珍しくはない。とはいえ、元来秘密主義である〈ロレックス〉は明らかに他の時計メーカーよりも謎に満ちた個体が多く存在し、長年ファンを困惑させてきた(もちろん、同時に喜ばせてもきた)。特にヴィンテージモデルに関しては現在も完全に年度別の仕様の詳細やストーリーなどが明らかになってはおらず、珍しい個体が発見される度にますます時計愛好家たちを困惑させ、狂喜させている。
本稿で紹介する1973年製〈ロレックス〉SUBMARINER(サブマリーナ)は並みいるウルトラレアモデルと比較するとライト級に収まるかもしれないが、一般市場で見かける機会は決して多くはないだろう。
文字盤の中に赤いアラビック文字が入るこの個体は、いわゆる「アラビックダイヤル」と呼ばれる中のバリエーションのひとつ。この年代のサブマリーナは「SUBMARINER」表記が赤い通称「RED SUBMARINER(赤サブ)」と呼ばれる個体が比較的多く流通しており、本個体は「赤サブ」でありながら「SUBMARINER」表記がアラビア文字というレアモデルだ。

1973 Rolex Submariner Arabic
1973 Rolex Submariner Arabic

1973 Rolex Submariner Arabic
1973 Rolex Submariner Arabic

謎に惹かれてこそ「時計沼」の住人

なぜこんな個体が存在したのか?恐らく当時上顧客だったドバイの富豪からの特別オーダーに応えたのではないかと推測できるものの、真相はよく分からないというのが正直なところ。先に述べたように〈ロレックス〉は秘密主義を貫くブランドなので…。しかし、真相は不明としても「赤サブ」と思いきやアラビア文字という意外性とマニアックさはコアな〈ロレックス〉ファンはもちろん、時計好きであれば興味を惹かれるのではないだろうか。だって時計が好きであるほど謎めいた仕様やマニアックなディテールに無条件で惹かれてしまうものでしょう?
それなりに使い込んだダメージ具合であってもレアな個体だからか、「〈FARFETCH〉公式サイト」では5,321,800円という強気な価格が提示されている。興味のある方は検討してみてはいかがだろう。
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