一生大切にできる「枯れ枯れ」の ROLEX GMT-MASTER Ref.6542
ボロければボロいほど良い？ 加工ではなく本物のエイジングを重ねたヴィンテージ・ロレックスの破壊的な魔力
金銭的価値観を狂わせるヴィンテージ・ロレックス
時計が好きになると避けては通れないのがヴィンテージの世界。年代物のヴィンテージウォッチには新品では得られない強烈な魅力があり、私たちの金銭的価値観を徐々に狂わせていく。特に〈ROLEX（ロレックス）〉のヴィンテージウォッチは様々なモデルが世界的な人気を集めており、インターネット／実店舗を問わず魅力的な個体が数多く存在している。
そして「萌えポイント」が人それぞれであることも興味深いポイントだろう。まるで当時からタイムスリップしてきたかのような限りなく新品に近い状態を至高と捉える人もいれば、年月を重ねた時計ならではの激しいエイジングに惹かれる人もいる。本稿では〈ロレックス〉を代表するパイロットウォッチであるGMT MASTER（GMTマスター）の中から、超級のエイジングを見せる個体を紹介。「枯れ枯れ」と呼びたくなるルックスの魅力を探る。
そして「萌えポイント」が人それぞれであることも興味深いポイントだろう。まるで当時からタイムスリップしてきたかのような限りなく新品に近い状態を至高と捉える人もいれば、年月を重ねた時計ならではの激しいエイジングに惹かれる人もいる。本稿では〈ロレックス〉を代表するパイロットウォッチであるGMT MASTER（GMTマスター）の中から、超級のエイジングを見せる個体を紹介。「枯れ枯れ」と呼びたくなるルックスの魅力を探る。
壊れやすいという致命的な欠点を持ちながら凄まじいプレミアが付く初代GMTマスター
〈ロレックス〉GMTマスター Ref.6542は、1955～59年というわずかな期間に製作された同ブランド初のパイロットウォッチ。当時アメリカ最大級の航空会社だったパンアメリカン航空からの依頼で誕生したというエピソードは、時計好きであれば一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。まだ腕時計がアナログだった時代に生まれた〈ロレックス〉GMTマスターは、メインの時間帯を文字盤と短針で、第2時間帯を24時間針と時差に合わせてセットした回転ベゼルで同時に表示できるという画期的なアイデアを実現した。国際線のパイロットにとって2つの異なる時間帯を表示できる機能性は非常に実用的で、後にパンアメリカン航空以外のパイロットたちや、海外旅行を楽しむ富裕層からも重宝されたという。
GMTマスターの初代モデルであるRef.6542の最大の特徴は、ベイクライトベゼルを搭載していること。ベイクライトとは世界初の人工合成樹脂の商標のことで、簡単に言うとプラスチックの樹脂ベゼルのことだ。耐熱性と絶縁性に優れながら水や紫外線に弱いという致命的な弱点を持つベイクライトベゼルは着用していると破損することが多く、〈ロレックス〉は第2世代であるRef.1675でベゼルインサートの素材をアルミニウム製に変更。耐衝撃性をはじめとした耐久性を大幅に向上した正常なアップデートを果たす。面白いのは、壊れやすいベイクライトベゼルを搭載する初代モデルが、長い年月を経てもっともファンから求められるGMTマスターになったことだ。壊れやすい＝原型をきれいに留めている個体が極端に少ないということ。そのため色の経変変化はしていても、ベゼル自体に破損のない個体はオークション等で目玉が飛び出るような価格で売買されるようになった。
時間が与えた魔法
樹脂製パーツならではのねっとりとした質感と色の変化を楽しめる〈ロレックス〉GMTマスター Ref.6542は、その希少性もさることながら、見た目的なユニークさも高く評価される時計だ。言い換えると経年変化を起こしやすい素材が使われているからこそ、個体ごとのエイジング具合の違いを分かりやすく楽しめる時計とも言える。
本稿で紹介しているRef.6542もご覧の通りインパクトの強いエイジングを果たしており、ベゼルはもちろん、文字盤のブラウンチェンジも凄まじい。現代では新品の時計にエイジング加工を施したものも見受けられるが、やはり本物のヴィンテージが持つ圧倒的なオーラはまったくの別物と言っていいだろう。針やダイヤル上のロゴやモデル名などのプリントもくすんだ色合いに変化していることが分かるはず。
本稿で紹介しているRef.6542もご覧の通りインパクトの強いエイジングを果たしており、ベゼルはもちろん、文字盤のブラウンチェンジも凄まじい。現代では新品の時計にエイジング加工を施したものも見受けられるが、やはり本物のヴィンテージが持つ圧倒的なオーラはまったくの別物と言っていいだろう。針やダイヤル上のロゴやモデル名などのプリントもくすんだ色合いに変化していることが分かるはず。
まるで海底の底から引き揚げられたかのような激しいダメージと、GMTマスターらしさをもっとも感じるブルー×レッドのベイクライトベゼル。映画「007 ゴールドフィンガー」でHonor Blackman（オナー・ブラックマン）が着用したこともこの時計をアイコン的存在に昇華している。深みのある色合いと、皺を無数に刻んだ老人のような美しいエイジングをじっくり眺めよう。これは時間が与えた魔法であり、生まれたての時計では決して味わえない宝物だ。
〈ロレックス〉GMTマスター Ref.6542は「WIND VINTAGE」で販売中。価格は89,000ドルとなる。恋に落ちてしまったあなたは、GMTマスター特有の「枯れ枯れ」を味わってみてはいかがだろうか。
〈ロレックス〉GMTマスター Ref.6542は「WIND VINTAGE」で販売中。価格は89,000ドルとなる。恋に落ちてしまったあなたは、GMTマスター特有の「枯れ枯れ」を味わってみてはいかがだろうか。
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ITEM CREDIT
- ROLEX：GMT-MASTER Ref.6542
