ヴィンテージとモダンの最良の融合 – 藤原ヒロシがデザインしたタグ・ホイヤー・カレラ
もしデザインがヴィンテージでムーブメントが最新スペックだったら・・・。腕時計好きの多くが妄想する夢のようなモデルが先日〈タグ・ホイヤー〉から発表された。日本のストリートの帝王、藤原ヒロシ氏がデザインした「カレラ キャリバー ホイヤー02」は、うるさ型の時計ファンを黙らせる魅力に満ちている。
Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Tag heuer offcial site
恋に落ちざるを得ないルックスの良さ
2018年11月に突如発表された「カレラ キャリバー ホイヤー02」。きっと多くの人が一瞬目を疑って、その後慌ててプライスを確認したのではないだろうか。もちろん私は確認した瞬間に手が届かないことを嘆いた。
〈TAG HEUER(タグ・ホイヤー)〉を代表するフラッグシップモデル、カレラが発表されてから55周年を記念し、藤原ヒロシ氏率いる〈fragment design(フラグメントデザイン)〉と手を組んで生まれたのがこのモデル。何よりも素晴らしいルックスを賞賛したい。私は常々〈ホイヤー〉時代の名モデルたちのデザインに憧れてきたし、正直言ってあの時代(特に60年代)にデザイン面で現行モデルが敵うことは決してないだろうと思っていた。現行モデルはモダンでゴージャスかもしれないが、〈ホイヤー〉が元々持っていたクラシカルな路線とは大きく異なる。だからこそ「カレラ キャリバー ホイヤー02」を見た瞬間に半ば恋に落ちたような感覚すら覚えたのだ。
〈TAG HEUER(タグ・ホイヤー)〉を代表するフラッグシップモデル、カレラが発表されてから55周年を記念し、藤原ヒロシ氏率いる〈fragment design(フラグメントデザイン)〉と手を組んで生まれたのがこのモデル。何よりも素晴らしいルックスを賞賛したい。私は常々〈ホイヤー〉時代の名モデルたちのデザインに憧れてきたし、正直言ってあの時代(特に60年代)にデザイン面で現行モデルが敵うことは決してないだろうと思っていた。現行モデルはモダンでゴージャスかもしれないが、〈ホイヤー〉が元々持っていたクラシカルな路線とは大きく異なる。だからこそ「カレラ キャリバー ホイヤー02」を見た瞬間に半ば恋に落ちたような感覚すら覚えたのだ。
95%ヴィンテージデザインに5%モダンなエッセンス
その素晴らしいルックスをデザインしたのが藤原ヒロシ氏本人だというのが面白い。もちろんこれは往年のカレラに酷似しており、そのヘリテイジがあってこそのデザインではあるが。素晴らしいのは、藤原氏がヴィンテージ然としたルックスを選び、タグ・ホイヤー側がそれを快諾したことだと思う。
ブランド側として考えると、明らかにかつてのモデルを彷彿させるデザインは大切にしたいはずだ。つまり、気軽にポンと出したくはないだろうという意味で。藤原氏はヴィンテージウォッチ愛好家としても知られている。〈ROLEX(ロレックス)〉の手巻きDAYTONA(デイトナ)やSUBMARINER(サブマリーナ)といったスポーツウォッチの最高峰をコレクションしており、度々メディアにも登場してきた。だから〈タグ・ホイヤー〉とコラボレーションするにあたって「そっち系」を出したがるのは容易に想像できるわけだが、ブランド側が「いいね!」と言わんばかりにリリースしてしまうのは何だかカッコいいじゃないか。
ブランド側として考えると、明らかにかつてのモデルを彷彿させるデザインは大切にしたいはずだ。つまり、気軽にポンと出したくはないだろうという意味で。藤原氏はヴィンテージウォッチ愛好家としても知られている。〈ROLEX(ロレックス)〉の手巻きDAYTONA(デイトナ)やSUBMARINER(サブマリーナ)といったスポーツウォッチの最高峰をコレクションしており、度々メディアにも登場してきた。だから〈タグ・ホイヤー〉とコラボレーションするにあたって「そっち系」を出したがるのは容易に想像できるわけだが、ブランド側が「いいね!」と言わんばかりにリリースしてしまうのは何だかカッコいいじゃないか。
藤原氏が「人々が、現行のコレクションに必ずしも期待していないものを創った」と自ら語っている。それでも、〈ホイヤー〉時代を感じさせるクラシカルなデザインを待ち望んでいたファンも相当数いるはずだ。現在腕時計の世界では空前の復刻ブーム。〈ロレックス〉や〈TUDOR(チューダー)〉がGMTモデルでペプシカラーを復活させるなど、黄金時代のアイコニックなデザインやカラーリングを現代流に再解釈してリリースすることがとても支持を集めている。
「カレラ キャリバー ホイヤー02」もまさにそっち路線。元ネタは1963年モデルだが、全体的に95%がヴィンテージデザインで、残りの5%にわずかながらモダンなエッセンスを注入していると言って良いだろう。
「カレラ キャリバー ホイヤー02」もまさにそっち路線。元ネタは1963年モデルだが、全体的に95%がヴィンテージデザインで、残りの5%にわずかながらモダンなエッセンスを注入していると言って良いだろう。
ダブルネームという希少性を抜きにしても、買えるなら買った方が後悔しない腕時計
純粋に〈タグ・ホイヤー〉のレギュラーライン、もしくは限定モデルとして発売してほしかったと思う向きもあるだろう。ダブルネームは話題性がありプレミア化しやすいものの、ダブルネームだからこそ避ける人たちも必ず存在する。ただ、「カレラ キャリバー ホイヤー02」のように完全にヴィンテージ系のルックスを持つモデルが今後登場する可能性について考えると、もし買えるのであれば買ってしまった方が後悔しない。税込みで939,600円は一般庶民にとっては非常に高額だが、数年後の中古価格がそれを上回っている可能性は高いと思う。
このモデルを製作するにあたり、一番楽しんだのは間違いなく藤原ヒロシ氏本人だろう。「最近の〈ロレックス〉や〈チュードル〉はケース径が大きすぎる」という発言もしていたし、その思いは「カレラ キャリバー ホイヤー02」にもしっかり反映されている。39mmという直径はまさに我々日本人にとってのベストサイズ。
また、ヴィンテージ然としたルックスでありながら、機械はしっかり現代的なのも歓迎すべき点だ。ムーブメントの振動数は28,800回/時。これは現代の腕時計としては平均的だが、約80時間というパワーリザーブはまさに現代的。どうせなら手巻きにしてほしかった…というのはヴィンテージマニア特有のわがまま。
トータルでまったく隙がなく、身に着けていて飽きることが想像できない傑作が、日本のカリスマとのコラボレーションで誕生したことが嬉しくなる。
また、ヴィンテージ然としたルックスでありながら、機械はしっかり現代的なのも歓迎すべき点だ。ムーブメントの振動数は28,800回/時。これは現代の腕時計としては平均的だが、約80時間というパワーリザーブはまさに現代的。どうせなら手巻きにしてほしかった…というのはヴィンテージマニア特有のわがまま。
トータルでまったく隙がなく、身に着けていて飽きることが想像できない傑作が、日本のカリスマとのコラボレーションで誕生したことが嬉しくなる。
ITEM CREDIT
- Watch:TAG HEUER – Carrera caribre heuer 02
Specifiction
YEAR : 2018MOVEMENT : AutomaticSIZE : 39mmCASE : Stainless steelGLASS : Saphire glassPower reserve : 80 hours