READYMADE × PURNELL

【各モデル5本限定】READYMADE × PURNELL トゥールビヨン搭載の複雑時計が5月に発売

時計自体が小さな小宇宙のような異次元の機構とルックス。スイスの時計メーカー〈PURNELL〉と日本のファッションブランド〈READYMADE〉がコラボレーションし、各モデル5個限定で特別な時計をローンチする。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : READYMADE

「ONLY TOURBILLON」

始めに断っておくと、この時計は少なくとも筆者の人生にはまったく関係がない。最低数千万円~約2億円という価格の時点で「我が人生に一切の関係なし!」と断言できるし、この凄まじいルックスの時計を違和感なく着けこなす度胸もセンスも持っていないからだ。それでも記事にしたのは、時計自体が尋常じゃないオーラを放っていることと、人の英知が詰まった逸品であること、そして〈READYMADE(レディメイド)〉との希少なコラボレーションモデルだから。例え絶対に手に入らない価格だとしても、この時計にはわざわざ目を止める価値がある。
まずはよほどの時計好きでない限りは存在自体知らない人が多いであろう〈PURNELL(パーネル)〉について簡単に調査してみた(そう、筆者もこのブランドについてまったく知識がなかった)。
〈パーネル〉は2006年にジョナサン・パーネルが祖父であり時計師であったセシル・パーネルを称えることを目的に創業したスイスの新興時計メーカー。ブランドロゴの下にある「ONLY TOURBILLON」の文字の通り、複雑機構であるトゥールビヨンウォッチのみを作るメーカーとして世界の時計マニアや富豪から徐々に認知を集めている。トゥールビヨン専業メーカーとして創業してから計13個ものエクスクルーシブなムーブメントの開発に成功しているので、開発能力・技術力ともに新興メーカーの枠を超えたスキルを持っているようだ。
また、2016年にはマスターウォッチメーカーの一人として知られているエリック・クドレとのコラボレーションを開始。世界最速3軸トゥールビヨンを取り入れた画期的なモデルの開発に成功し、時計ファンの間でニュースになっている。「スフェリオン」と名付けられたトゥールビヨンを搭載した「ESCAPE」シリーズは2017年にファーストモデルが登場し、2年間の期間を経て第2弾となるESCAPE II のプロトタイプが完成(ESCAPE IIは「スフェリオン」を2つ搭載)。その後2020年から満を持して世界展開をスタートしているが、ここ日本ではまだ販売拠点はない。
基本的にどのモデルも生産数が大手時計メーカーと比較して極端に少ないため、価格も公表されないことが多いほどだ。どうやら1億円以上することが当たり前らしく、先に述べたように本稿で紹介する〈レディメイド〉とのコラボレーションモデルも2億円に迫るぶっ飛び価格の逸品が用意された。

READYMADE × PURNELL
READYMADE × PURNELL

READYMADE × PURNELL
READYMADE × PURNELL

反戦のメッセージと平和への祈りを込めてデザインされた時計

〈パーネル〉の時計はトゥールビヨンであることを最大限に活かし、ルックスも心臓部となるムーブメントが見えるスケルトン仕様になっている。正面から見ると文字盤の下部に2つの不思議なパーツが隣接していることが分かるが、これが「スフェリオン」。3つの軸点で回転する球形のトゥールビヨンは、これが機械式時計であることを忘れさせるほど宇宙的なパーツだ。それぞれのトゥールビヨンは回転方向が異なる速度で移動するように設計されており、もっとも内側のトゥールビヨンケージは8秒ごとに1回回転し、次に中央のケージが16秒ごとに回転し、最後に外側のトゥールビヨンケージが30秒ごとに回転する。回転速度に変化をもたらし、多方向に回転させることで地球上の重力の影響を最小化し、どんな姿勢であっても時計としての誤差を可能な限りなくすことを目的としているそうだ。
この途方もない技術が結集したトゥールビヨンウォッチと、ヴィンテージ/古着アイテムの解体・再構築を得意とする日本のファッションブランド〈レディメイド〉の間に関連性を見出すことが難しく、両ブランドの間にどんなつながりがあって本コラボレーションが実現したのかは定かではない。ただ、〈レディメイド〉デザイナーである細川雄太氏はこの超エクスクルーシブなコラボレーションについて「〈レディメイド〉の真髄でもある反戦のメッセージを込め、希望や未来への架け橋の意味をもつ虹色を使用しました。少しでも明るい世界になりますように、と願いを込めています」とコメント。もしかすると、現在進行形で発生しているロシアとウクライナ間の大規模な戦争を受けて、両ブランドの間で元々進行していたプロジェクトが急ピッチで進められたのかもしれない。

READYMADE × PURNELL
READYMADE × PURNELL

READYMADE × PURNELL
READYMADE × PURNELL

READYMADE × PURNELL

超高級時計であっても〈レディメイド〉らしさがしっかりと入っている点も素晴らしい

スケルトンボディゆえサイズ感を想像するのが難しいが、ケース径は48mmという大型サイズであることも特徴。ベースモデルは2019年に発表されたESCAPE IIだ。〈レディメイド〉とのコラボレーションモデルであることをもっとも分かりやすく示すのは、オレンジとグリーンに彩られたトゥールビヨンだろう。同ブランドをご存じの方ならすぐに「らしさ」を感じるであろうオレンジとグリーンカラーは〈レディメイド〉の洋服やバッグ、各種小物などで多用されるブランドカラー。スケルトンボディの中に堂々と鎮座する摩訶不思議な心臓部の一部がポップなカラーリングに彩られることで、コラボモデルならではの特別感を感じさせるとともに、この時計にある種の親しみやすさを演出することに成功している。
なお、本コラボレーションアイテムはサファイア・クリスタル(1億8450万円)、WPM ホワイトパーネルマイクロファイバー(6900万円)、カーボン・ラミナ(6825万円)の3種類がラインアップ。ウォッチストラップには〈レディメイド〉を象徴するヴィンテージのミリタリーテントファブリックを採用することで、さらに「らしさ」を強めている点も魅力だ。ミニマム数千万円の腕時計のストラップがクロコダイルレザーでも、プラチナ製のメタルバンドでもなく、ヴィンテージのミリタリーファブリックであること…そのギャップもこのブランドらしい。
ちなみに細川氏にとって時計のデザイン自体が初めてだったため、仕上がりなどがどうなるかは心配だったらしい。しかし、〈パーネル〉側は細川氏のアイデアとデザインを全面的に採用。結果的に「最高の技術の中に自分のデザインが落とし込まれており、感動しました」というコメントを残していることも付け加えておこう。
バレル左側とリューズ、ケースバックリング、バックル、そして専用ボックスに〈レディメイド〉のロゴが入り、さり気なくコラボレーションアイテムであることを主張しているほか、右側のバレル部分には細川氏がセレクトしたトーマス・エジソンの時間に関する哲学「time is really the only capital that any human being has and the thing that he can least afford to waste or lose(時間は人間が所有する唯一の資本であり、もっとも無駄にしたり失ったりできないものである)」というメッセージを刻印。この時計ならではの品格をプラスしている。
〈レディメイド〉×〈パーネル〉は各モデルが世界限定5本という超エクスクルーシブモデル。日本からも購入できるかは公式に発表されていないが、気になる方は〈レディメイド〉公式サイトをチェックしてみよう。
LIVE IN RUGGEDがお届けする〈レディメイド〉の記事はこちらから。
時計関連の記事はこちらをチェック。
LIVE IN RUGGED公式ツイッターのフォローもお忘れなく。

ITEM CREDIT

RECOMMEND