「トップガン・マーヴェリック」劇中で着用されたクールな時計を大解剖
公開後3ヵ月近くが経過しても満員御礼の大ヒット中。国内興行収入110億円を超えた「トップガン・マーヴェリック」で、トム・クルーズをはじめとした主要メンバーが劇中で着用していた時計をチェックしながら、何度でも「追いトップガン」を繰り返そう。
「トップガンクルー」たちが劇中で着用した時計とは?
国内の累計興行収入が110億円を超えるなどますます大ヒット中の「TOP GUN MAVERICK(トップガン・マーヴェリック)」。2020年以降に日本で公開された実写映画としてはナンバー1の成績を記録し、「追いトップガン」と呼ばれるリピーターが続出するなど、その勢いは衰えるばかりか加速度を上げているように見える。筆者も先日4回目となる鑑賞をしてきたのだが、興奮と感動は初めて観た時とまったく変わらず、掛け値なしの凄い映画だと痛感するばかり。というか、オープニングで流れる爆音の「Danger Zone(デンジャーゾーン)」と最高にクールな発艦・着艦シーンだけでご飯がお代わりできる!世の中にアクション映画は数えきれないほど存在するけれど、「トップガン・マーヴェリック」ほど完成度が高く、万人を夢中にさせる作品は本当に稀だと思う。しかも第1作目から36年越しの続編であることも凄さに拍車を掛けている。2作目あるいは3作目でコケたり不評になる映画が圧倒的大多数であることは説明の必要がないだろう。Tom Cruise(トム・クルーズ)率いるトップガン軍団の迫真の演技とCGを極力使わないド迫力の飛行&戦闘シーン、巧みなストーリー展開、ヒリヒリするような緊張感。それらの中にヒューマンドラマやハリウッド映画ならではの明るさや笑いも絶妙に織り混ぜた仕上がりは、他の作品では決してない没入感と相まってハマる要素がてんこ盛りだ。
そして、「トップガン」シリーズと言えば第1作目の時と併せてファッション的なブームも話題になってきた。1作目が公開された際はトム・クルーズが着用するフライトジャケットや〈Ray-Ban®(レイバン®)〉のサングラスが飛ぶように売れていたが、「トップガン・マーヴェリック」が大ヒットを記録した現在もこれらの売上は例年に比較すると2倍以上の売れ行きを記録しているようだ。しかし、LIVE IN RUGGED読者であれば出演者が劇中で身に着けた時計も大いに気になるところだろう。徹底的にリアリズムを追求する本作では、衣装や小道具なども超本格的で、知れば知るほどますます「追いトップガン」したくなるエピソードがたくさんある。本稿では主演のトム・クルーズをはじめ、主要キャストが劇中で着用した時計を紹介していく。
ピート・マーヴェリック・ミッチェル大佐の愛用時計
まずは主役であるトム・クルーズ演じるピート・マーヴェリック・ミッチェル大佐が劇中で着用した時計をクローズアップしよう。
時計好きの方であれば映画館でお気づきになられたかもしれないが、マーヴェリックは全体が真っ黒に塗装されたクロノグラフを着用している。これは〈PORSCHE DESIGN(ポルシェ・デザイン)〉のORFINA(オルフィナ)7176Sで、実は1986年に公開された1作目でも着用していたもの。トム・クルーズは本作を撮影するにあたり、役柄にリアリティを与えるために同じ時計を身に着けることにしたのだという。時計好きで知られるトム・クルーズも〈ポルシェ・デザイン〉オルフィナ7176Sは所有していなかったので、まったく同じモデルを持っているプロデューサーのJerry Bruckheimer(ジェリー・ブラッカイマー)に借りたというエピソードが残されている。
時計好きの方であれば映画館でお気づきになられたかもしれないが、マーヴェリックは全体が真っ黒に塗装されたクロノグラフを着用している。これは〈PORSCHE DESIGN(ポルシェ・デザイン)〉のORFINA(オルフィナ)7176Sで、実は1986年に公開された1作目でも着用していたもの。トム・クルーズは本作を撮影するにあたり、役柄にリアリティを与えるために同じ時計を身に着けることにしたのだという。時計好きで知られるトム・クルーズも〈ポルシェ・デザイン〉オルフィナ7176Sは所有していなかったので、まったく同じモデルを持っているプロデューサーのJerry Bruckheimer(ジェリー・ブラッカイマー)に借りたというエピソードが残されている。
〈ポルシェ・デザイン〉オルフィナ7176SはブラックPVDコーティングを施したステンレススティール製ケースを持つ3つ目のクロノグラフ。PVDコーティングは地上にいる時よりもはるかに強烈な太陽光線によって発生する反射を抑える効果があり、実際に戦闘機パイロットが身に着けることが多いそうだ。
ムーブメントは数々の名機に採用されているLemania(レマニア)製のCal.5510を搭載。ブラック&ホワイトで統一されたケースと文字盤、ブレスレットの精悍さもさることながら、クロノグラフ針の鮮烈なレッドカラーが実にクールな仕上がりだ。以下のフォトギャラリーに時計本体の美しい写真とともに、1作目「トップガン」および本作「トップガン・マーヴェリック」でトム・クルーズが身に着ける画像を掲載するので、じっくりと堪能してほしい。若かりし頃のトム・アイスマン・カザンスキー中尉のお姿にも注目。
ムーブメントは数々の名機に採用されているLemania(レマニア)製のCal.5510を搭載。ブラック&ホワイトで統一されたケースと文字盤、ブレスレットの精悍さもさることながら、クロノグラフ針の鮮烈なレッドカラーが実にクールな仕上がりだ。以下のフォトギャラリーに時計本体の美しい写真とともに、1作目「トップガン」および本作「トップガン・マーヴェリック」でトム・クルーズが身に着ける画像を掲載するので、じっくりと堪能してほしい。若かりし頃のトム・アイスマン・カザンスキー中尉のお姿にも注目。
若きトップガン・パイロットたちが身に着けていた時計は?
「トップガン・マーヴェリック」ではトム・クルーズの年齢を超越した無双っぷりをこれ以上ないほど楽しめる映画になっているが、それに匹敵するくらい重要なのが脇を固める俳優たちだろう。特にトップガン・パイロットを演じた若き俳優たちの個性と、訓練を重ねるうちによりたくましく成長していく姿は必見。1作目でマーヴェリックの相棒を演じたニック・グース・ブラッドショウの息子であるブラッドリー・ルースター・ブラッドショーを演じたMiles Teller(マイルズ・テラー)を筆頭に、自信満々なジェイク・ハングマン・セレシン役のGlen Powell(グレン・パウエル)、紅一点ながら最高にクールだったナターシャ・フェニックス・トレース役のMonica Barbaro(モニカ・バルバロ)、猛者揃いの中でひと際個性を出していた知性派のロバート・ボブ・フロイド役のLewis Pullman(ルイス・プルマン)、劇中危うく命を落としそうになったルーベン・ペイバック・フィッチ役のJay Ellis(ジェイ・エリス)、そしてミッキー・ファンボーイ・ガルシア役のDanny Lamirez(ダニー・ラミレス)とジェイビー・コヨーテ・マチャド役を演じたGreg Tarzan Davis(グレッグ・ターザン・デイヴィス)に至るまで、劇中で身に着けていたのは〈IWC(アイダブリューシー)〉Pilot watch Mk XVIII SFTIであったことが判明している。
ミリタリーウォッチの愛好家には説明不要だが、〈IWC〉は古くから各国政府の要請で軍専用のパイロットウォッチを製作してきた歴史を持っている。トップガン、ブルーエンジェルス、そして米海軍および海兵隊全体向けの時計開発に関する公式ライセンスを得ている唯一の時計ブランドであり、言わばパイロットウォッチのスペシャリストなのだ。「トップガン・マーヴェリック」には腕時計以外にストップウォッチも登場しスクリーンに大きく「IWC」のロゴが映し出されるシーンもあったが、〈IWC〉が製作したパイロット向けの時計は各飛行隊の現役隊員および元隊員のみが購入可能となっており、購入者の名前とコールサインが刻印されるのだという。
これらは米海軍戦闘機兵器学校「トップガン」の精鋭たちと卒業したパイロットだけが購入できる特別モデル。モデル名のSFTIはStrike Fighter Tactics Instructor=戦闘機戦術教育の略であり、まさに空の世界で生きるスペシャリストのために作られたツールウォッチなのだ。劇中で若きパイロットたちが身に着けていたのは一般には流通しないSFTIではなく、そこから派生した市販モデルと思われる。クロノグラフではなくシンプルな3針モデルだが、文字盤上には「トップガン」のエンブレムが存在感を放つスペシャルなデザインと、秒針先端部と日付数字のレッドカラーが特徴。裏蓋にもさり気なく「トップガン」モデルであることを表すレーザー刻印が施されている。年間750本限定生産モデルで、価格は742,500円。スイス製の機械式時計としては特別高価ではないものの、映画の影響で売れ行きは上々。気になる方は早めにチェックしないとますます入手困難モデルになるかもしれない。
ヒロイン役のジェニファー・コネリーはあのヴィンテージウォッチ!
そして、「トップガン・マーヴェリック」でヒロイン的存在であるペニー・ベンジャミン役を演じたJennifer Connelly(ジェニファー・コネリー)にクローズアップ。劇中では酒場を経営するシングルマザーというクールな役柄を演じ、マーヴェリックの心の支えとしてなくてはならない存在感を出していたペニーが身に着けていた時計は、もしかしたら時計好きが本作でもっとも注目していたのではないだろうか。
というのも、一瞬しか映らないとはいえそれは明らかに私たちが大好きなあのブランド…そう、〈ROLEX(ロレックス)〉のスポーツウォッチのような気がしてならないから。
そんな目ざといあなた、正解です。ジェニファー・コネリーが身に着けていたのは〈ロレックス〉Explorer I(エクスプローラーI)で、しかも時計好きであれば一度は憧れるヴィンテージのRef.1016であると思われる。筆者も何となくそんな気がして「追いトップガン」中に獣のような目で凝視したのだが、確信には至らず…。しかし、宣伝用の高解像度の画像を確認すると、ほぼ間違いなくRef.1016であることが確認できた。しかも文字盤の色味をよく見ると、日焼けしてやや退色したトロピカルダイヤルのようにも見える。このエクスプローラーIが映画用に用意された小道具なのか、ジェニファー・コネリー自身の私物なのかは不明だが、酸いも甘いも嚙み分けたペニーにぴったりの時計であることは間違いない。
というのも、一瞬しか映らないとはいえそれは明らかに私たちが大好きなあのブランド…そう、〈ROLEX(ロレックス)〉のスポーツウォッチのような気がしてならないから。
そんな目ざといあなた、正解です。ジェニファー・コネリーが身に着けていたのは〈ロレックス〉Explorer I(エクスプローラーI)で、しかも時計好きであれば一度は憧れるヴィンテージのRef.1016であると思われる。筆者も何となくそんな気がして「追いトップガン」中に獣のような目で凝視したのだが、確信には至らず…。しかし、宣伝用の高解像度の画像を確認すると、ほぼ間違いなくRef.1016であることが確認できた。しかも文字盤の色味をよく見ると、日焼けしてやや退色したトロピカルダイヤルのようにも見える。このエクスプローラーIが映画用に用意された小道具なのか、ジェニファー・コネリー自身の私物なのかは不明だが、酸いも甘いも嚙み分けたペニーにぴったりの時計であることは間違いない。
小道具にも興奮するのが映画の楽しみ
「トップガン・マーヴェリック」ではウェアやバイクもさることながら、時計にも登場人物がリアルに身に着けているであろう逸品が用意されており、洋服好きはもちろん時計好きも満足させる仕上がりに。映画自体の圧倒的な完成度と作りこみにこそ圧倒されてしまうのだが、時計好きの方は「追いトップガン」で役者たちが身に着ける小道具にも注目するとより楽しめるはず。まだ上映は続きそうなので、すでに鑑賞済みの方はもちろん、すでに何度も観た方も改めて刺激的な空の世界に旅立ってみてはいかがだろうか。そう言う筆者も4回も観たにもかかわらず、こんな記事を執筆しているとまた行きたくなってきた…。
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超本格的でプロスペックの航空ウォッチが気になる方には〈Bell & Ross〉の時計も猛プッシュしたい。
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