パリの HERMÈS で販売された ROLEX DAYTONA Ref.6241 Paul Newman
マニア垂涎の「JPS」仕様のポール・ニューマン・デイトナ。しかも過去にパリの〈HERMÈS〉にて販売されたというウルトラレアの個体を発見。
「JPS」仕様のポール・ニューマン・デイトナが〈HERMÈS〉で売られていた?
数年前と比較するとやや落ち着いてきたとはいえ、希少価値の高いヴィンテージの〈ROLEX(ロレックス)〉の相場は依然として高水準を保っている。特に同ブランドを代表する COSMOGRAPH DAYTONA(コスモグラフ・デイトナ)の人気は相変わらず凄まじい。当初は宇宙開発への想いを乗せて「COSMOGRAPH」という名を与えられながら、結局は〈OMEGA(オメガ)〉SPEEDMASTER PROFESSIONAL(スピードマスター・プロフェッショナル)にその座を奪われたというある意味で切ないストーリーを持つことは、コアな〈ロレックス〉ファンであればご存じだろう。とはいえ、その後すぐにモータースポーツ用クロノグラフへとシフトチェンジし「DAYTONA」のモデル名が生まれたことは、結果的には良かったのかもしれない。
紆余曲折を経て伝説的存在へと昇華した〈ロレックス〉デイトナには数え切れないほどのバリエーションが存在するが、本稿でピックアップした個体は、まさに時計業界で言う「HOLY GRAIL(聖杯)」と呼ぶにふさわしい。ヴィンテージ・ロレックスの中でもっともアイコニックな Paul Newman(ポール・ニューマン)モデルであるのに加え、ブラックとゴールドで彩られた「John Player Special(ジョン プレイヤー スペシャル)」仕様であり、さらに過去にパリの〈HERMÈS(エルメス)〉にて販売された過去を持つという。さっそく以下のフォトギャラリーでその美しい姿をチェックしてみよう。
まさに「聖杯」の呼び名にふさわしい究極レベルのポール・ニューマン・デイトナ
時計全体は高級感にあふれるブラックとイエローゴールドで統一されている。イエローゴールドの色味は煌びやかすぎず、どちらかというと渋い色合いだ。ゴールド製であることは明確に判別できるが、「ブリンブリン」ではない点が好ましい。
文字盤に目を向けると、マットなブラックカラーと華やかなゴールドカラーがここでも競演していることが分かる。デイトナの特徴である3つ目のインダイヤルをじっくり眺めてみよう。特徴的なタイポグラフィーによって比類のない個性が与えられたこの時代のデイトナに、さらに格上のゴージャス感が加えられていると誰もが感じるはずだ。
文字盤に目を向けると、マットなブラックカラーと華やかなゴールドカラーがここでも競演していることが分かる。デイトナの特徴である3つ目のインダイヤルをじっくり眺めてみよう。特徴的なタイポグラフィーによって比類のない個性が与えられたこの時代のデイトナに、さらに格上のゴージャス感が加えられていると誰もが感じるはずだ。
ちなみに「ジョン プレイヤー スペシャル」とは、ブラックとイエローゴールドで統一された〈ロレックス〉デイトナのことを指す愛称のこと。元々はパッケージがブラックとイエローゴールドで統一された「John Player Special」というタバコの銘柄があり、1970年代の FORMULA 1(フォーミュラ1)に参戦していたチームのスポンサーになっていた時期があった。精悍なブラック&ゴールドのデイトナが「JPS」カラーのF1マシンを思い起こさせることがその由来となる。
そして、この「JPS」ポール・ニューマン・デイトナを一段と特別な個体にしているのが、〈エルメス〉の店舗で販売されたという事実だ。その証拠に、上記画像の通り、ケースの裏蓋に「HERMÈS」の刻印が刻まれていることが分かる。
かつて〈ロレックス〉の時計の一部が〈エルメス〉や〈Tiffany & co.(ティファニー)〉のブティックでも販売されていたことはヴィンテージウォッチ好きであればご周知の通り。ただし、どのモデルがどれくらいの数量売られていたのかは確かな資料等が残されていない。 SUBMARINER(サブマリーナ)や EXPLORER I(エクスプローラー1)など比較的流通量の多いモデルはこれまでも〈ティファニー〉のブランド名がプリントされた個体が確認されているものの、〈エルメス〉で販売されていたデイトナとなると相当なレアモデルと言っていいのではないだろうか。
かつて〈ロレックス〉の時計の一部が〈エルメス〉や〈Tiffany & co.(ティファニー)〉のブティックでも販売されていたことはヴィンテージウォッチ好きであればご周知の通り。ただし、どのモデルがどれくらいの数量売られていたのかは確かな資料等が残されていない。 SUBMARINER(サブマリーナ)や EXPLORER I(エクスプローラー1)など比較的流通量の多いモデルはこれまでも〈ティファニー〉のブランド名がプリントされた個体が確認されているものの、〈エルメス〉で販売されていたデイトナとなると相当なレアモデルと言っていいのではないだろうか。
こちらの個体は2015年の「The Geneva Watch Auction(ジュネーブ・ウォッチオークション)」に出品され、その際にパリの〈エルメス〉ブティックが1971年11月30日に販売されていたことを確認したという。オークション出品時点で45年以上もの年月が経過していたとは思えないほどの極上のコンディションも、熱心な時計ファンを強烈に魅了した。
ヴィンテージのポール・ニューマン・デイトナはすべての個体が収集価値の高いレアモデルではあるが、この「JPS」ポール・ニューマン・デイトナが比類がないほどレアで貴重な時計であることは言うまでもない。腕時計がもっとも美しかった時代の遺産である「聖杯」は、値段すら付けられないほどの絶対的な価値がある。ブラックとイエローゴールドのクールなカラーウェイに秘められた知的で情感豊かなルックスと、あふれんばかりの創造性を腕に巻ける人は、とてつもなくラッキーな人物だ。
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