king of gold Rolex Daytona PN JPS

ゴールド製ロレックスの王者 – デイトナ ポール・ニューマン JPSの圧倒的な存在感

市場価値2億円超?ヴィンテージ・ロレックスの中でも屈指の価値を持つデイトナ ポール・ニューマン JPSの魅力に迫る。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : EAST CROWN

世界にたった300本前後しか存在しない金無垢のデイトナ

どんなジャンルやモノにも究極と言われる何かがある。時計の世界においては〈Patek Philippe(パテック・フィリップ)〉のカラトラバや、昨年末に発表されごく限られた顧客のみ手に入れることができた〈Tiffany & Co.〉とのコラボレーション版ノーチラスなどは究極のひとつとして誰もが認めるモデルだろう。
それでは〈ROLEX(ロレックス)〉の究極は何だろう?プラチナケースで宝石が散りばめられた〈DAYTONA(デイトナ)〉?それとも硬派なステンレススチール製のデイトナ ポール・ニューマンだろうか?(ポール・ニューマン本人が愛用したエキゾチックダイヤルのデイトナはこちらの記事をチェック)。
異論はあるかもしれないけれど、デイトナ ポール・ニューマン Ref.6241 18K YG JPSはヴィンテージ・ロレックスの中でも究極と呼ぶにふさわしい一本だと思う。本稿では時計マニアが憧れ抜く金無垢のJPSをフィーチャー。その魅力の一端でも感じていただけたら幸いだ。
現行モデルの異常なまでの高騰っぷりもよく話題に上がっている〈ロレックス〉デイトナは、スポーツウォッチとしてもクロノグラフとしても時代を超えた王者のような存在。中でもエキゾチックダイヤルを備えたポール・ニューマンモデルの古いデイトナはここ数年でバブルのように価値が上がり、著名なオークションに出品されると数千万円の価格で落札されている。
ステンレススチール製のPNデイトナも非常に価値の高い逸品なのだけれど、それを上回る位置に君臨しているのがゴールド製のモデルだ。〈ロレックス〉はデイトナ Ref.6241を1965年に発表し、主にアメリカ市場向けにステンレススティール、18Kイエローゴールド、14Kイエローゴールドの3タイプを製造していた。生産期間は1969年までのわずか4年間で、総生産本数は3,000本程度と言われている。そして本稿で紹介する18Kイエローゴールド製のRef.6241はたったの300本程度しか存在しない。ゴールド製ならではのゴージャス感とデイトナの美しいルックスだけでも超が付くほど価値があるのに、世界に多くても300本前後しか存在しないという希少性がプラスされた本モデル。その市場価値は2億円以上とも言われており、名実ともにトップクラスのヴィンテージ・ロレックスとしてマニアから熱狂的な人気を集めている。

1969 ROLEX DAYTONA Ref.6241 Paul Newman 18K Yellow gold JPS
1969 ROLEX DAYTONA Ref.6241 Paul Newman 18K Yellow gold JPS

1969 ROLEX DAYTONA Ref.6241 Paul Newman 18K Yellow gold JPS
1969 ROLEX DAYTONA Ref.6241 Paul Newman 18K Yellow gold JPS

未来永劫「HOLY GRAIL(聖杯)」としてファンから崇められ続ける時計

全体を引き締める精悍なブラックカラーのアクリル製ベゼルと〈ロレックス〉特有のポンププッシャー、そしてコントラストの強いエキゾチックダイヤルを備えたRef.6241は言葉を失うほど美しい。ペットネームである「JPS」の由来は当時活躍していたFORMULA 1のマシンカラー。1970年代にイギリスのタバコ会社「John Player Special」が〈LOTUS(ロータス)〉F1チームをスポンサードしていた時代があり、漆黒のボディにゴールドカラーのロゴやフォント、ラインが描かれていた。その伝説的なカラーリングをそのまま移植したような色合いであることから名付けられたのが本モデルなのだ。。あのAyrton Senna(アイルトン・セナ)もJPSカラーの〈ロータス〉F1マシンでグランプリを戦っていた時代もある。今も昔もこの時代のデイトナにしか存在しない特別なカラーウェイであることと、一歩上のマテリアルである18Kイエローゴールド製であることから、伝説的なモデルが特に多いデイトナの中でもRef.6241を本当に特別な時計に昇華している。
ムーブメントは1965~67年頃の初期型にはCal.722、後期型にはCal.722-1を搭載。いずれもヴィンテージ・クロノグラフの世界には欠かせない名機、Valjoux(バルジュー)の昔ながらのマニュアルムーブメントだ。ブレスレットは18Kイエローゴールド製の貴金属タイプとレザーストラップの2タイプで発売されていたようだが、本モデルはケース本体と同じ金無垢のブレスレットを装備している。状態の良さはご覧の通り。1969年製ということは今から50年以上も昔の時計なのに、まるでタイムスリップしてきたような輝き!このままオークションに出品されたらとんでもない価格で競り落とされそうだ。
一般的な市場に出てくることは滅多にない本モデルは、東京・中野区の名店「EAST CROWN(イーストクラウン)」で販売された。1995年に創業した「イーストクラウン」は30年以上もの長きに渡り価値の高いヴィンテージウォッチを取り扱ってきた実績があり、海外の時計コレクターたちからのコンタクトも多い名店である。目が離せなくなるほど美しいJPSはすでにソールドアウトになっているが、希少性の高いヴィンテージ・ロレックスをお探しの方は一度コンタクトをとってみてはいかがだろうか。デイトナに限らず様々なモデルの中から最高クラスの時計を見つけることができるはずだ。
今や純金に投資するよりも〈ロレックス〉を買った方がいいと言われるほど世界的に人気になり、ごく普通のドレスウォッチですら店頭に並ばなくなった。ヴィンテージの世界はさらに奥が深く、まさに底なし沼のように一度ハマると抜け出せなくなる魅力がある。金無垢のデイトナ ポール・ニューマン JPSは都内の一等地に豪邸を建てられるくらいの価値に化けて、もはや庶民には決して手が届かない世界に行ってしまっている。それでもPNデイトナに対して興味を失わないのは、この時計があまりにも美しいからだ。巨大な宝石が埋め込まれているわけではなく、著名人が長年身に着けた「本人愛用モデル」でもないデイトナ JPSがこれほどの価値が与えられているのは、妙な話だけれど痛快さも感じる。シンプルさと尖ったスタイルを持ち、唯一無二のデザインを与えられたこの時計は、きっとこれからも時計好きの間で「HOLY GRAIL(聖杯)」として扱われ続けるだろう。
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