2022 New DEEPSEA and SEA-DWELLER

【2022年新モデル】時計マニアが悶絶する付加価値にあふれた究極のダイバーズウォッチ、DEEPSEA と SEA-DWELLER

〈Rolex〉の2022年最新モデルに迫る短期連載。第1回目のGMTマスターII、2回目のエアキング、3回目のヨットマスターに続き、本稿でお届けするのは究極のダイバーズウォッチであるDEEPSEAとSEA-DWELLER。〈Rolex〉の技術が結集した2モデルは、時計マニアが悶絶するヘンタイ性がチラチラと見える。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Rolex

〈Rolex〉だから成しえた付加価値を与えられた時計

スイス・ジュネーブの時計見本市「Watches and Wonders Geneva 2022」にてお披露目された〈Rolex(ロレックス)〉の最新モデル。LIVE IN RUGGEDではGMT-Master II(GMTマスターII)Air-King(エアキング)Yacht-Master(ヨットマスター)のディテールに迫ってきたが、本稿ではDEEPSEA(ディープシー)およびSEA-DWELLER(シードゥエラー)をフィーチャー。海の覇者である2大モデルのディテールに迫る。
ディープシーとシードゥエラーは深海遠征用のツールウォッチとして開発され、究極の防水機能を備えたダイバーズウォッチ。〈ロレックス〉にはSUBMARINER(サブマリーナ)というダイバーズウォッチ屈指の大ヒットモデルがあるが、ディープシーとシードゥエラーはサブマリーナをさらにプロスペック仕様に改造したモデルと捉えていい。
1967年に発表された〈ロレックス〉シードゥエラーは水深4,000フィート(1,220m)、2008年に発表された〈ロレックス〉ディープシーは水深12,800フィート(3,900m)という驚異的な防水機能を誇る。普通に生きていてもこんな深度の海中を体験する機会はあり得ないため、オーバースペックの極みのような時計と言ってもいいだろう。とはいえ「私たちの生活には関係のない世界のモノです」とバッサリ切り捨てるにはあまりにもったいない。時計に限らず高級品には付加価値が求められるが、例えば大パワーで凄まじいスピードを持つスーパーカーとある意味で共通する一面がある。サーキットにでも行かない限りはその性能の一端ですら発揮できないスーパーカーは、自動車メーカーの技術力の結集であり、見た目やスペックだけでは測れない魅力…付加価値があるからこそ多くの人々から羨望の眼差しを集める。ディープシーとシードゥエラーはまさにそんな付加価値を与えられた、本当に特別な時計なのだ。

2022 Rolex DEEPSEA SEA-DWELLER
2022 Rolex DEEPSEA SEA-DWELLER

2022 Rolex DEEPSEA SEA-DWELLER
2022 Rolex DEEPSEA SEA-DWELLER

極限の世界でダイバーを支える究極のツールウォッチ

両モデルともに、ケースやブレスレットにはオイスタースチールを採用。世界トップクラスの耐蝕性を持つことが不可欠なハイテク産業や航空宇宙、化学産業で使用されているオイスタースチールは並外れた耐久性を持ち、地球中のあらゆる環境下でその美しさを保つほどの堅牢性を持つ。ブラックダイヤルは変色しにくいゴールド製アワーマーカーが組み合わされ、デイタイム・ナイトタイムを問わず高い視認性を確保。わずかな光も届かない深海では時計がもたらす情報は現代でも生命線のひとつであり、そんな環境では万にひとつもミッション時の故障や破損は許されない。〈ロレックス〉が素材から自社開発をしていることはこれまでの記事でも述べたきたが、ディープシーとシードゥエラーも最高の素材をオリジナルで研究・開発し、すべての時計が熟練の時計職人の手を介して緻密に組み立てられる。
ディープシーとシードゥエラーのオイスターブレスレットに装着されるオイスターロッククラスプとグライドロックエクステンションシステムも、必須パーツとしてダイバーから高い評価を得ている。オイスターロッククラスプはブレスレットが誤って開くことを防ぎ、グライドロックエクステンションシステムは工具を使用せずともブレスレットの長さを微調整できる画期的な機構。ダイビングスーツの上からでも快適に着用することができるための配慮であり、特殊なミッションで限界に挑むプロフェッショナルのユーザビリティーを最大限考慮した工夫でもある。
〈ロレックス〉が製造し特許を取得したスペシャルパーツであり、両モデルの顔のひとつでもあるブラックセラクロムベゼルインサートにも注目してほしい。ヴィンテージモデルに使われていたベゼルとは比較にならないほど耐傷性に優れ、かつ紫外線の影響を受けにくいブラックセラクロムベゼルインサートも、ディープシーとシードゥエラーにとって必要不可欠なパーツだ。目盛りにはPVD(物理蒸着)によってプラチナの薄い層がコーティングされ、アワーマーカーと針には何の光も見えない暗闇であっても優れた視認性を提供するために、ブルーに発光する長時間継続のルミネッセンスが使われている。それによって、ダイバーは極限の世界でも安心してミッションを遂行できるというわけだ。
実際、まったくの暗闇の世界である深度の海中で何かしらの作業をするシーンを頭に思い浮かべると、身に着けるツールが命綱になることは容易に想像できる。潜水可能時間を把握するためのダイバーズウォッチがもし潜水中に故障したら…ベテランのダイバーであってもパニックに陥る可能性がある。〈ロレックス〉のプロフェッショナル向けダイバーズウォッチは、彼らにとって最高に頼れる相棒であるに違いない。

2022 Rolex DEEPSEA SEA-DWELLER

突き抜けたヘンタイ性が両モデルの魅力

重ねてになってしまうけれど、ディープシーとシードゥエラーは一般的な仕事をしながら生活する私やあなたにとっては完全にオーバースペックのアイテムだと言わざるを得ない。もしかしたら、どちらかの時計を手に入れて30年間毎日愛用したとしても、その性能の10%も発揮できないかもしれない。でも、だから何だと言うのだろう?時計が好きであれば、メーカーが試行錯誤して完成させた技術力が詰まっていることに喜びを感じるし、けた外れのスペックとズッシリと重い重量も丸ごと愛せるはず。ヘヴィーな金属の塊のようなディープシーとシードゥエラーには、男が惚れる男の世界がこれでもか!と凝縮されているのだから。
加えて、超人気モデルであるサブマリーナを選ばずに、よりプロフェッショナル向けのツールウォッチを選ぶというマニアックさも良い。このヘンタイ性も間違いなくディープシーとシードゥエラーの美点だ。ダイバーズウォッチ好きからは「何でサブマリーナにしなかったの?」と言われることもあるかもしれない。その時は、自分の偏愛っぷりを教えてあげよう。
〈ロレックス〉ディープシーは1,538,900円。シードゥエラー(オイスタースチールモデル)は1,433,300円。性能とクラフツマンシップを考えると、両モデルともにバーゲンプライスだ。
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