反骨精神がギラリと光るクロムハーツのジーンズ
デニムがトレンドのひとつとして戻ってきた今だからこそ履きたい、〈CHROME HEARTS〉のとびっきりのジーンズたち。
〈CHROME HEARTS〉がブランド初期から大切にしてきた核となる部分とは?
今やすっかりトータルラグジュアリーブランドへと成長した〈CHROME HEARTS(クロムハーツ)〉。ジュエリーやレザーアイテムの製造が主力であること自体はさほど変わりはないものの、ライフスタイル全般をカバーする他に類を見ない企業として認知されている。しかし、ブランド創立からしばらくは一部のコアで先鋭的な人々…例えば〈COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)〉の川久保玲氏のようにファッション業界でも特に尖っているデザイナーや、SEX PISTOLS(セックス・ピストルズ)のSteve Jones(スティーブ・ジョーンズ)、GUNS N’ ROSES(ガンズ・アンド・ローゼズ)やMötley Crüe(モトリー・クルー)のメンバーといった一部のロックスターたちが好んで身に着けているようなブランドだった。有名人御用達と書くといかにも安っぽさが強調されてしまうけれど、〈クロムハーツ〉はブランド設立から数年は感度の高い人々が真っ先に飛びついた非常にローカルなブランドだったのだ。
日本初上陸の現場が〈コム・デ・ギャルソン〉青山店であり、本国アメリカで一番最初に〈クロムハーツ〉を取り扱ったショップがロサンゼルスの名店〈Maxfield(マックスフィールド)〉だったことからも、同ブランドがいかに先鋭的な人々を一瞬で魅了したかが伺える。
日本初上陸の現場が〈コム・デ・ギャルソン〉青山店であり、本国アメリカで一番最初に〈クロムハーツ〉を取り扱ったショップがロサンゼルスの名店〈Maxfield(マックスフィールド)〉だったことからも、同ブランドがいかに先鋭的な人々を一瞬で魅了したかが伺える。
だから、現在のラグジュアリー然とした佇まいや、ワールドワイドに広がった知名度や人気の高さを感じる度に、嬉しい気持ちはありつつ「このブランドの核となる部分はラグジュアリーだったっけ?」と時々考えてしまう。もちろん、スターリングシルバーを惜しみなく使った革製品やホームグッズなどを見ていると、ラグジュアリーというキーワードがこれほど似合うブランドは滅多にないとも思う。だって、〈クロムハーツ〉以前の世の中にボタンやジッパープル、グロメットなどにシルバーパーツを使うブランドなんて存在しなかったし、クロスやダガー、フローラルといったクラシックなモチーフをこれほど巧みにジュエリーに昇華するブランドも存在しなかったから。
じゃあ、なぜちょっとした違和感を感じてしまうのか?それは、〈クロムハーツ〉の核となる大切な心臓部分は反骨精神だからだ。
シルバーをたっぷりと使ったボリュームのあるジュエリーや、極厚でありながらしっとりと上質なレザーウェア。気品とワイルドという相反する要素が喧嘩せず完璧に成立したのは、創設者兼デザイナーの〈Richard Starjk(リチャード・スターク)〉が生粋のバイカーであり、ブランドを始めた動機も自分や仲間がバイクに乗る時のためのレザーウェアを作ることだったから。超優秀なデザイナーやクラフトマンたちとの出会いに恵まれたこともあり、〈クロムハーツ〉は年を重ねるごとにどんどん人気も知名度も増していったのは、古くからのファンであればご存じの通りだ。
今の〈クロムハーツ〉にはビッグメゾンにはないロックな空気感があるし、ラグジュアリーさもある。そして、どのアイテムを選んでも多かれ少なかれ反骨精神も感じられるけれど、それを直球で楽しめるのがカスタムされたジーンズだ。
シルバーをたっぷりと使ったボリュームのあるジュエリーや、極厚でありながらしっとりと上質なレザーウェア。気品とワイルドという相反する要素が喧嘩せず完璧に成立したのは、創設者兼デザイナーの〈Richard Starjk(リチャード・スターク)〉が生粋のバイカーであり、ブランドを始めた動機も自分や仲間がバイクに乗る時のためのレザーウェアを作ることだったから。超優秀なデザイナーやクラフトマンたちとの出会いに恵まれたこともあり、〈クロムハーツ〉は年を重ねるごとにどんどん人気も知名度も増していったのは、古くからのファンであればご存じの通りだ。
今の〈クロムハーツ〉にはビッグメゾンにはないロックな空気感があるし、ラグジュアリーさもある。そして、どのアイテムを選んでも多かれ少なかれ反骨精神も感じられるけれど、それを直球で楽しめるのがカスタムされたジーンズだ。
色でガラリと雰囲気を変える魔法のレザーパッチ
かつて〈クロムハーツ〉は〈Levi’s®(リーバイス®)〉の古着のジーンズをフルカスタムして販売していた。ボタンやリベットなどをスターリングシルバー製のパーツに交換し、アイコニックなクロスモチーフのレザーパッチで補強しながらデザイン性を高めるというオリジナリティたっぷりの手法は、それらが初めて生まれてから数十年経ってもまったく色褪せない魅力を持っている。
〈クロムハーツ〉のカスタムジーンズはすべてスターリングシルバー製パーツが使われているのだが、パッチの数や種類、大きさ、素材、色にはあまり規則性がなく、それが一点物としての面白さと希少性を高めているのもポイント。上に掲載したブルージーンズ(レギュラーの501®)には鮮やかなイエローカラーのクロスパッチがランダムに縫い付けられており、硬派で男らしいと思われがちな〈クロムハーツ〉のポップな側面がよく表れている。
〈クロムハーツ〉のカスタムジーンズはすべてスターリングシルバー製パーツが使われているのだが、パッチの数や種類、大きさ、素材、色にはあまり規則性がなく、それが一点物としての面白さと希少性を高めているのもポイント。上に掲載したブルージーンズ(レギュラーの501®)には鮮やかなイエローカラーのクロスパッチがランダムに縫い付けられており、硬派で男らしいと思われがちな〈クロムハーツ〉のポップな側面がよく表れている。
一方、以下に掲載するブラックジーンズは〈クロムハーツ〉のパブリックイメージそのままと言ってもいい、ロックでゴシックなオーラがプンプンと漂っていることが分かるはず。
ブラックカラーで統一されたモデルには、珍しくクロスモチーフではなくBSフレアモチーフのパッチを数えきれないほど配置。両膝には同ブランドを象徴するデザインのフレアニーが施されており、通常クロスボールのはずのリベットは立体的なダガーパーツを採用している。恐らく現在はオーダーできないスペシャル仕様だろう。
ブラックカラーで統一されたモデルには、珍しくクロスモチーフではなくBSフレアモチーフのパッチを数えきれないほど配置。両膝には同ブランドを象徴するデザインのフレアニーが施されており、通常クロスボールのはずのリベットは立体的なダガーパーツを採用している。恐らく現在はオーダーできないスペシャル仕様だろう。
さらに、もうひとつのブラックジーンズは様々なカラーのレザーパッチで装飾。ブラック、ホワイトの定番カラーはもちろん、レッドやイエロー、ピンク、パステル調のブルー、そしてヒョウ柄まで使い、実際に製作する職人の感性の赴くままに配置されていて、眺めているだけで楽しい。マルチカラー仕様のパッチもかなりレアで、こちらも通常販売される機会は滅多になく、オーダーも難しいのではないだろうか。
他ブランドにはない個性とワンアンドオンリーの魅力
そして、どのモデルを選んでも反骨精神にあふれているのが〈クロムハーツ〉らしいところ。ポップで可愛らしさすら感じるイエローカラーのパッチで統一されたブルージーンズであっても、他のブランドよりも自由なクリエイティビティを感じるし、既成概念を壊すような遊び心に満ちていることが分かるはずだ。ちょっとしたアレンジで「らしさ」を演出し、どことなくロックな精神性を周囲にアピールする〈クロムハーツ〉のジーンズは、性別も国籍も超えてオーナーのこだわりを反映したワンアンドオンリーな逸品なのだ。
この春はここ数年なかったほどデニムがファッショントレンドのひとつとしてリバイバルしており、こだわりの一本を探している方もいらっしゃるはず。もちろんトレンドを超越した定番のジーンズも素晴らしいけれど、反骨精神を感じる〈クロムハーツ〉のジーンズは他では味わえない独特の個性を楽しむことができるはず。気になる方は〈クロムハーツ〉直営店に問い合わせてみるか、セカンダリーマーケットで自分好みのモデルを探してみてはいかがだろうか。
ITEM CREDIT
- CHROME HEARTS:Cutomized jeans