モータースポーツとハリウッドの華やかな歴史が詰まったロレックス・デイトナ Ref.6263 「BIG RED」
名優ポール・ニューマンも愛用した「ビッグレッド」デイトナには、モータースポーツとハリウッドが危険だった時代の空気感がギュッと詰まっている。ヴィンテージの〈Rolex〉デイトナの中でも人気の高いRef.6263 「ビッグレッド」とはどんな時計なのだろうか?
ヴィンテージ・デイトナの「らしさ」をストレートに楽しめるRef.6263 「ビッグレッド」
〈Rolex(ロレックス)〉は現行モデルの人気も相変わらず凄まじいが、ヴィンテージの勢いもまだまだ衰えることを知らない。SUBMARINER(サブマリーナ)のような絶対定番モデルは年代やカラー等によって大きく市場相場が異なるものの総じて大きな価格を維持しているし、ほんの数年前まではお手頃感すらあったDATEJUST(デイトジャスト)のような非スポーツウォッチですら秋からに相場が上がっている。つまり全モデルを通じて近年は一気に相場が上昇したわけだけれど、その中でもっともバブル的な上がり率をマークしたのがDAYTONA(デイトナ)であることに異論がある人は恐らくいないだろう。
ヴィンテージの〈ロレックス〉デイトナと言えばアメリカの俳優、Paul Newman(ポール・ニューマン)が愛用していたエキゾチックダイヤルのポール・ニューマン・デイトナを真っ先に思い浮かべる人が多いのではないだろうか。特にRef.6263 MK 1.75の白黒パンダモデルは現在のヴィンテージ〈ロレックス〉ブームを牽引してきた名作であり、今でも5,000万円超のプライスで売買されることも多い。
本稿で取り上げる〈ロレックス〉デイトナ Ref.6263 「BIG RED(ビッグレッド)」にはパンダダイヤルのポール・ニューマン・デイトナほどのプレミア感はないものの、古いデイトナの「らしさ」を強く感じられるモデル。さっそくその魅力を見てみよう。
本稿で取り上げる〈ロレックス〉デイトナ Ref.6263 「BIG RED(ビッグレッド)」にはパンダダイヤルのポール・ニューマン・デイトナほどのプレミア感はないものの、古いデイトナの「らしさ」を強く感じられるモデル。さっそくその魅力を見てみよう。
…と、その前にまずはデイトナの歴史を簡単に記載する。1963年に誕生した〈ロレックス〉デイトナは、先輩モデルであるサブマリーナやGMT MASTER(GMTマスター)、そしてEXPLORER I(エクスプローラーI)といったスポーツウォッチがヒットした流れの中で生まれた肝入りのクロノグラフだった。
当時かなり盛り上がりを見せていたモータースポーツの世界で生きるプロフェッショナルたちが仕事場(=サーキット)で活用できるスポーツウォッチとして開発されたデイトナは、モデル名からしてカーレースとの親和性が高い。デイトナとは元々アメリカ・フロリダ州デイトナビーチにあるDaytona International Speedway(デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ)から取られた名称。NASCAR(ナスカー)やデイトナ24時間レースが行われるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイは320km/hを優に超える超ハイスピードオーバルコースとしても知られており、数々の名レース(と大クラッシュ)が繰り広げられたサーキットとしても有名である。
当時かなり盛り上がりを見せていたモータースポーツの世界で生きるプロフェッショナルたちが仕事場(=サーキット)で活用できるスポーツウォッチとして開発されたデイトナは、モデル名からしてカーレースとの親和性が高い。デイトナとは元々アメリカ・フロリダ州デイトナビーチにあるDaytona International Speedway(デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ)から取られた名称。NASCAR(ナスカー)やデイトナ24時間レースが行われるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイは320km/hを優に超える超ハイスピードオーバルコースとしても知られており、数々の名レース(と大クラッシュ)が繰り広げられたサーキットとしても有名である。
Ref.6263はデイトナの第3世代にあたる型番であり、デイトナとして初めてねじ込み式のプッシュボタンを採用することで日常防水性能を達成。それを表す「OYSTER」の名前が「ROLEX」のモデル名の下に入っていることがその証明なのだが、デイトナファンであればご存じの通りRef.6263の中にも様々なバリエーションが存在する。最初期モデルはダイヤル上のどこにも「DAYTONA」のモデル名が表記されておらず、もっともシンプルなルックス。もうひとつが本稿で取り上げている「BIG RED」と呼ばれる個体で、「DAYTONA」のモデル名が真っ赤なフォントでダイヤル上にプリントされた個体。湾曲したフォントが比較的大きく入る「ビッグレッド」はこの時代のデイトナであることを強烈に感じられるデザインであることから、多くのヴィンテージウォッチマニアたちから熱い視線を浴び続けているというわけだ。
実はポール・ニューマンも「ビッグレッド」を愛用していた
クラシカルな3つ目のインダイヤルの完璧なバランスを見ていると、〈ロレックス〉デイトナが奇跡的なデザインを持っていることがよく分かるはずだ。「ビッグレッド」はシルバーよりもブラックのダイヤルの方が人気が高いようだが、ブラックとホワイトのコントラストがもたらす男らしさと端正な見た目が人気の秘訣なのだろう。そこに1ポイントで入る真っ赤な「DAYTONA」の文字は、〈ロレックス〉の長い歴史においてもアイコニックなディテール。後に登場するすべてのヴィンテージ・クロノグラフのベンチマーク的な完成度と、大御所感すら漂う存在感も「ビッグレッド」の魅力と言える。
ちなみに前述のポール・ニューマン本人もRef.6263「ビッグレッド」も愛用していた。本人が所有していた個体が2017年にフィリップス・ニューヨークでオークションに出品され、100万ドル(約1億円)以上というエスティメートに対して5,475,000ドル(約5億5千万円以上)というぶっ飛びプライスで落札されたことで時計業界に衝撃を与えた。ポール・ニューマン本人愛用モデルであることを踏まえても、5億円を優に超えるプライスで落札されたことで「ビッグレッド」の価値がますます高まることになる。
古き良き時代の極上のデザインと風合い
現行型のデイトナには最新の技術とラグジュアリー感がたっぷりと詰まっているが、モータースポーツが世界的に盛り上がりを見せていた1960年代に誕生した名クロノグラフである〈ロレックス〉デイトナの古き良きデザインと風合いを備えるRef.6263 「ビッグレッド」には、やはり格別の魅力がある。ヴィンテージウォッチらしさあふれるドーム型のプラスチック性風防やタフな見た目のねじ込み式のプッシャー、クールなブラックのプラスチック製ベゼルもこの時代の〈ロレックス〉デイトナの魅力的なディテールだ。
私たちはどうしても昔作られていたモノに心が惹かれてしまうところはあるけれど、こと腕時計においてはヴィンテージモデルの素晴らしさは抗いがたい。「ビッグレッド」は今でも1,000万円超のプライスが掲げられていることが多いとはいえ、もし手に入れられるのであれば一度自分のモノにしてみたいと思わせる魅力が大いにある時計だ。
私たちはどうしても昔作られていたモノに心が惹かれてしまうところはあるけれど、こと腕時計においてはヴィンテージモデルの素晴らしさは抗いがたい。「ビッグレッド」は今でも1,000万円超のプライスが掲げられていることが多いとはいえ、もし手に入れられるのであれば一度自分のモノにしてみたいと思わせる魅力が大いにある時計だ。
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カスタムウォッチブランド〈Artisans de Genève〉がデイトナにエイジング加工を施した「Rusty」も要チェック。
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ITEM CREDIT
- Rolex:DAYTONA Ref.6263 BIG RED