Rolex Explorer I reborn in a 36mm case

新ムーブメント、Cal.3285を搭載する新型エクスプローラーIIが「買い」である2つの理由

外観上の変化は少ないが中身を一新する新型エクスプローラーIIは決して見逃せない存在。2つの理由と共に猛プッシュする。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : ROLEX

【「買い」の理由その1】今の〈ロレックス〉にふさわしい最新のムーブメントに入れ替わるから

先に投稿したエクスプローラーIに続き、〈ROLEX(ロレックス)〉Explorer II(エクスプローラーII)の2021年新型モデルをフィーチャー。なぜこのモデルが「買い」なのか?それは本記事を読了いただくとお分かりいただけるはず。
新型エクスプローラーIがケース径36mm(現行モデルは39mmでやや大型)にサイズダウンするなど大幅なアップデートをするのに対し、弟分のエクスプローラーIIは外観上大きな変化がない。ケースとブレスレットはわずかに変更が加えられているが、誰が見ても判別できるレベルではなく、ごく小さなマイナーチェンジだ。これは〈ロレックス〉がエクスプローラーIIを軽視しているわけではなく、エクスプローラーIに大幅な改良(ケース径のサイズダウンなど)を加えるため、ユーザーの注目度を散漫にさせない配慮だと思われる。つまり、今後1~2年の間にエクスプローラーIIももしかしたら大幅なアップデートが遂行される可能性もあると考えて良いだろう。
上記のように新型エクスプローラーIIにはルックスがほぼ変わらないのだが、心臓部は丸ごと入れ替えとなる。GMTマスターIIと同じ完全自社開発・製造でより精度の高い最新のムーブメントであるCal.3285を搭載する運びとなった。Cal.3285は2018年に発表され、今年から採用されるもの。精度、パワーリザーブ、耐衝撃性、耐磁性において従来のムーブメントを改良し、パワーリザーブも約70時間に延長された。
新型エクスプローラーIIが「買い」である第一の理由は、最新のムーブメントを搭載し機能性が向上するから。耐衝撃性や耐磁性に関してはアップデートされたことを感じる場面は少ないかもしれないけれど、パワーリザーブに関しては目に見えて利便性の高さを体験できるはずだ。例えば〈TUDOR(チューダー)〉の人気モデルであるブラックベイ・フィフティーエイトは以前から約70時間のパワーリザーブを実現していた。兄貴分である〈ロレックス〉のスポーツウォッチがパワーリザーブにおいて弟分よりも劣っていることは、ファンにとっては釈然としない思いもあっただろう(〈ロレックス〉と〈チューダー〉の価格の差を考えると更に)。新型エクスプローラーIIに搭載されるCal.3285は幅広い点で今の〈ロレックス〉にふさわしい超高機能ムーブメントであり、買うに値する理由がある。


〈ロレックス〉渾身の最新ムーブメント、Cal.3285。〈ロレックス〉独自の高精度クロノメーター(Superlative Chronometer)認定で、通常のクロノメーター(COSC)認定のムーブメントを時計として組み立てた後、更に厳しい独自基準で検査を行いクリアしたモノとなる。精度は日差±2秒以内。

どんな小さなパーツでも世界最高クラスの工作精度が確保されるのが〈ロレックス〉の腕時計。ヴィンテージ・ロレックスには現行モデルにはない趣のようなものがあるが、最新モデルには最高の品質が備わっている。

【「買い」の理由その2】デザイン的に変化がないから

先に書いたように新型エクスプローラーIIには外観上の変化はほとんどない。それなのに「買い」の理由として挙げたいのは、現在の素晴らしいデザインが継続されているから。今年誕生50周年を迎えるため大幅なデザイン変更が加わるのでは?と考えていた時計ファンもいるようだが、ルックスは現状維持で中身(ムーブメント)が入れ替わるアップデートだからこそ「買い」と言いたい。かつては不人気モデルの代表格として不当な扱いを受けてきた感のあるエクスプローラーIIも、ここ数年で一気に評価が高まった。それはエクスプローラーIはもちろん、他のモデルと比べてもオリジナリティが高く、デザインも優れていることが認識されたからに他ならない。このタイミングでガラリとデザイン変更をするよりも、今の見た目のまま主にムーブメントが最新になるのが現時点でのベストのアップデートではないだろうか。
必要以上に洗練されず、どこか無骨な雰囲気のあるエクスプローラーIIもいつかは大幅なデザイン変更が入るのだろう。しかし、もうしばらくは今のデザインで作り続けてほしい。新型モデルに見た目状の変化が乏しいことはむしろ良いことなのだと思える。あなたがどんなファッションをしていても、エクスプローラーIIは考える以上に洋服に溶け込み、時には主張してくれるはずだ。


オレンジのGMT針が映えるホワイトダイヤルのエクスプローラーII。ベゼルに刻まれる24時間表示の目盛りが男らしい。

どこか清潔感を感じるホワイトダイヤルに対し、よりメンズライクなブラックダイヤルも引き続きラインアップ。

50周年を迎え円熟の領域に達しつつあるエクスプローラーII

エクスプローラーIが36mmにサイズダウンするのに対し、エクスプローラーIIは42mmというやや大きめのサイズ感を維持する。デザイン的にシンプルなので実際のサイズ以上に巨大に見えることはないものの、着用して自分の腕に大き過ぎないかは確認する方が良いだろう。注意点としてはそれくらいで、その他は非の打ち所がない。50周年を迎え円熟の領域に達しつつあるエクスプローラーIIは所有者自体もエクスプローラーIに比べると圧倒的に少ないため、他者との差別化もバッチリ。言うまでもなく購入後に価値が下がることもなく、所有している限り資産価値もあるモデルだ。
価格は898,700円。実際のリリース時期はもう少し先になるようだが、恐らく争奪戦になると思われる。欲しい方は気を長く「〈ロレックス〉行脚」をする覚悟をしておこう。
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